劇場公開日 2023年5月12日

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「過去を忘れるな、人生は不平等」アルマゲドン・タイム ある日々の肖像 とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5過去を忘れるな、人生は不平等

2023年12月31日
Androidアプリから投稿

子供目線で少年が世界の理不尽な暴力性に触れ、その中で知見を広げ、最終的に自らの意思で何かを選び取っては歩みを始めるまでの確かな記録を綴る。
ジェームズ・グレイ脚本監督による静かに重い家族ドラマに、祖父アンソニー・ホプキンス、母アン・ハサウェイ、父ジェレミー・ストロングという素晴らしいキャストの目を見張る演技。現実に敗れるか、それともめげずに立ち向かうか?
舞台は1980年、繊細で絵を描くことが好きな少年ポール・グラフ。ユダヤ人の家系でPTAの母と怒ると怖い父、そして唯一の理解者である祖父の存在。祖父が説くクソども相手に屈することなく戦うことの大切さ。彼が学校で、留年していて事あるごとに先生に目をつけられ叱られている黒人の少年。
見終わる頃には沁みるように納得のいく最高なタイトルだけど、内容自体は、というか終わり方はとりわけオーディエンスフレンドリーではないと感じた。ただ、同時に、だからこそ恐らく本作が製作された意義・真意がそこにあるのだろうとも思う…。

P.S. タイトルから日本公開までてっきり世界滅亡の作品かと思っていたのはナイショ。

とぽとぽ