劇場公開日 2023年6月23日

「私も京都の貴船にタイムスリップした気持ちになりました。」リバー、流れないでよ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5私も京都の貴船にタイムスリップした気持ちになりました。

2024年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しかったです。
京都の奥座敷と言われる貴船の老舗旅館「ふじや」を舞台に
突然2分間を繰り返すタイムワープに巻き込まれた人々の
右往左往を、新鮮な切り口で描いた映画。
冬の京都の老舗旅館に滞在してるような雅な時間を
楽しみました。

旅館「ふじや」
道を隔てて「本館」の「別館」がある。
若い中居のミコトは別館の階段を降りた別館裏の
貴船川のほとりが初期位置。
2分経つとその川ほとりに戻される。

面白いのは番頭も中居の板前も女将の客たちも、
時間が繰り返す(タイムワープ)に、うすうす気付いてくること。
みんなでこの変なタイムワープを、なんとかして抜け出そうと
知恵を巡らせる。
2分毎に繰り返すタイムワープが楽しい。
風呂から出てこれない(直ぐに風呂に戻ってしまう)編集者。
食べても食べても閉めの雑炊が食べ終わらない客の2人。
熱燗を付けても、直ぐに鍋に戻るお銚子、
締め切りに追い詰められてる作家は、
部屋から飛び降りてしまう、
裏山にいた猟師はなんと自分に発砲したり、
中の良い客の2人が喧嘩を始めたり、
徐々に時間の繰り返しに、事態は悪化して行く。
そして原因探し?
時間を止めようとしたのは、川に、
【リバー、流れないでよ】と祈った張本人は?
と徐々に核心に近づき、
告白タイムになるのもなかなか奥深い、

ミコトの想い人・・・若い料理見習いのタク、
タクがミコトを残してフランスへ料理の修行に行こうとしている、
それを止めたいミコトの祈り・・・
だが、
ワープの原因は意外なことにあった・・・
この真相には正直言って、笑うしかない。

それにしてもミコトを演じた藤田理子、
迷路のような「ふじや」を地下の貴船川のほとりから、
3階の「鶯(うぐいす)」まで、何回駆け上がったことか?
若さだなぁ、
貴船川のゴウゴウと流れる音、
そしてラストに写る【貴船神社の参道】
赤い階段の手すり。なかなか面白い景色だ。
低予算で済ませるためのタイムワープが、
とても愉快で面白い映画になった。
技アリの一本だった。

琥珀糖
ゆきさんのコメント
2024年2月29日

ところで星の評価がないのは敢えてですか??
気になりますぅ〜(^。^)

ゆき
ゆきさんのコメント
2024年2月29日

こんばんは。
琥珀糖さんご覧になったのですね♪私はヨーロッパ企画のファンなので嬉しいです^ ^
元は演劇なので、映画化するとどうかな?と心配だったのですが面白かったですよね!
メジャー作品にはない部類で、一味違ったこんな作品もたまには良いですよね♪

ゆき
sow_miyaさんのコメント
2024年2月27日

共感ありがとうございました。貴船「ふじや」藤谷理子さんの実家みたいですね。彼女の佇まいがピッタリなのも納得でした。とにかく、大大大好きな映画です。

sow_miya
uzさんのコメント
2024年2月27日

ループなので疲れを見せるわけにはいかず、2分ノーカットの中で台詞や行動をやりきらなければならない。
短期間の撮影で、NGもあっただろうに、演者さん(カメラマンも!)には本当にお疲れ様でしたと言いたいです。

uz