「ただただ凄かった。」ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地 JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ただただ凄かった。

2022年7月13日
iPhoneアプリから投稿

凄すぎて、帰り道泣いてしまった。
それくらい、凄かった。
ここまでの感覚は久々。

静かなのが怖くなってくるような。
じわじわと侵食されてゆくような。
肌や皮膚が一体となるような。
そんな感覚。

あらすじをちらっと見た時も、
好みそうな映画だなと思っていたのだが、
その数十倍、この映画は凄かった。

彼女と200分を共にすることで、
私があちらに乗り移ったり、
あちらが私に乗り移ったりするような感じがした。

そして、終始アケルマンに試されている感じ。
いや、アケルマン、恐ろしいわ。。
本作が200分ある意味も妥当だし、
知りたいこと以上を教えてくれない。
これが映画だよ…。

人の魂が身体から飛び出してくるのを
目の当たりにしたというか、
いくら例えても本作を観るに勝ることは
伝えることができないな…。
日常って誰も見ていないところで
狂っていくんだよな。

しかもこの話、かなり汎用性がある。
今もどこかの部屋に彼女が居そうな感覚。
頭を離れない。

オールタイムベストものであった。
まだ観てないの3作あるんだが、
全部観たいなあ…。

JYARI
JYARIさんのコメント
2023年1月7日

2023/1/7 2回目の観賞

何度見ても、鑑賞後にひどく泣きそうになる。半月ぶりとは思えぬほど鮮明に覚えていた。しかし、ラストのハサミの件について、あのタイミングで設置されていたとは。
ジャンヌ・ディエルマンはどこにでもいる。そう思わせる生活感がある。
何度観ても、大傑作だと思わざるを得なかった。

JYARI