劇場公開日 2022年9月1日

「日本が舞台なのに日本人が少ないことなどに違和感はあるものの、日本が脚光を浴びる映画として素直に楽しむべき作品?」ブレット・トレイン 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本が舞台なのに日本人が少ないことなどに違和感はあるものの、日本が脚光を浴びる映画として素直に楽しむべき作品?

2022年9月1日
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伊坂幸太郎の「マリアビートル」を原作に、R15+の「デッドプール2」のデビッド・リーチ監督、という時点で、「謎解き」×「バイオレンスアクション」と予感させますが、実際にそうでした。
舞台は基本、「日本の新幹線」の中なので、もし新型コロナがなく「日本ロケ」ができていたら、と思うと残念な気持ちになります。
主演のブラッド・ピットはいいのですが、殺し屋たちは多くが外国人ですし、新幹線の乗客も少ない割に外国人ばかりと違和感を持ってしまいます。
キャストで残念に感じるのは、原作では主人公の「木村」。イギリス出身のアンドリュー・小路が演じていて字幕版だと日本語のセリフのイントネーションが気になります。
とは言え、世界的に大規模で公開する作品において日本を舞台にしてくれたことを素直に喜ぶべきなのかもしれません。
ブラッド・ピットが「テルマエ・ロマエ」の如く、日本のトイレに驚くシーンなどは面白いですし、アクションシーンも基本的には楽しいです。
ただ、伊坂幸太郎の原作がベースとなっているため、「ゴールデンスランバー」のように、意外と物語が入り組んでいる面もあるので、割と注意深く見ていく必要があります。
イギリス人殺し屋「レモン」が、「きかんしゃトーマスのファン」ということくらいは事前に知っていた方が良さそうです。(それがどう絡むのかは別として)

本来であれば「お祭り映画」として何も考えずに楽しみながら見るのが正解だと思いますが、ミステリー要素がブレンドされているので、見方が難しい面もあるかと思います。
そのため、イントネーションなどを気にせずに済み、場面に集中できる吹替版の方が楽しみやすいのかもしれません。
個人的には特に真田広之、サンドラ・ブロックの存在が清涼剤の役割を果たし良かったです。

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細野真宏