劇場公開日 2023年2月17日

「「今日も一日頑張るぞ!」が普通に見えてしまう」シャイロックの子供たち たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「今日も一日頑張るぞ!」が普通に見えてしまう

2023年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

たまたま聞いたラジオに本木克英監督が出ていて、崔洋一の後を受け日本映画監督協会の9代目会長になったことを知った。なんとしてもヒットさせねばという松竹のメンツがこれだけ劇場での予告ヘビーローテ含め大プロモーションになる所以であろうか。私とほぼ同世代、大卒で松竹に入り森崎東や木下恵介の助監督を7年間やり自身も「釣りバカ」を3本撮っているだけあってどっぷり松竹カラーというかなんとも懐かしいオールドスタイルの日本映画を久々に観た気がする。(大学の頃映画研修会でポスターのビラ下券が手に入り大宮セントラルで松竹の封切り映画をいつも只で観ていたことよ)オーソドックスな寄り引きのアクションでつなぐカット割りやカメラワーク、冒頭の「ヴェニスの商人」の舞台演技をそのまま本編に持ち込んでしまったかのような大きな芝居で分かりやすい演出。嫌いでは無いのだが佐藤隆太が帰宅して奥さんが「お風呂にする?ご飯にする?ビール飲む?」なんてやっているのを見るとなさけなくもなる。阿部サダオがこの映画の現場で「死刑に到る病」の台本を読んでいたというのだからこちらが先にクランクアップしていたであろうのにバッティングを避け公開まで時間が掛かったということか。銀行員がこれだけ簡単にATMの裏から札束を出し入れできるとしたら大問題でしょ。ありえないというか。ちょっとねぇ。

たあちゃん