劇場公開日 2022年11月25日

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「【”登山の求道者。”内臓が腐るほどの恐怖を味わいながら、山野井泰史さんが世界最難関ルートを単独初登頂で登る事に拘る訳を描いた未公開ソロ登頂映像満載の、ドキュメンタリー映画。】」人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【”登山の求道者。”内臓が腐るほどの恐怖を味わいながら、山野井泰史さんが世界最難関ルートを単独初登頂で登る事に拘る訳を描いた未公開ソロ登頂映像満載の、ドキュメンタリー映画。】

2024年2月4日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■2021年、登山界最高の栄誉といわれる「ピオレドール生涯功労賞」をアジア人として初受賞した山野井泰史。
 喜びと挫折を繰り返しながら極限に挑み続けた彼の足跡を、貴重な未公開ソロ登攀映像や妻・妙子への取材、関係者の証言などと共に振り返ったドキュメンタリー作品。

◆感想・・に余りなってません。

・山野井夫婦は、高所雪山登山を数々成功(場合によっては、敗退)して来たが故に、指の多くを欠損している。妙子さんに至っては、鼻の一部を失っている。
 だが、この人達は高所登山を辞めない。
 写っている顔は、笑顔である。

・学生時代に登山を始め、社会人になって暫くして、辞めた私に取っては、山野井泰史さんは、山の神様どころではなく、別世界の人だと思っていた。
ー 「岳人」「山と渓谷」に掲載される驚異的な登頂記録の数々・・。-

・だが、この作品を見るとお二人の素顔は柔和である。

■登山を辞めるタイミングとしては、就職、結婚、子供誕生という三つのタイミングがあるが、山野井さんは就職すらしなかったというから驚きである。
 更に、山野井さんの登山方法の特徴は、当時主流であった”極地法”ではなく”アルパインスタイル”に徹している事である。
 少ない荷物をベースキャンプに担ぎ上げ、速攻で途中ビバークをしながら短時間で頂上を目指すという、リスキーなスタイルである。

・指が余りない中、クラックにナッツを詰め、ロープを括り付け攀じ登ったり、氷瀑の上をダブルアックスでフリーソロで登ったり、よくぞ今まで登山人生を送って来たものだと驚嘆するが、ご本人が仰るように安全面に特に慎重であるという事に尽きるのだろう。

<50代後半を迎えても、自宅にトレーニングルームを作り、練習を続ける山野井さんの姿は崇高ですらある。
 それは、後半口にされる”何事にも代えがたい達成感”を求めての事なのだと思うのである。
何故なら、山野井さんのレベルには遠く及ばない私が登山をしていた理由が正にそうであるからである。
 世の中には、凄い登山者が居るモノである。>

NOBU