ハッチング 孵化のレビュー・感想・評価
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脱皮…!?
奔放な母に振り回される少女が森で拾った不思議な卵。やがて孵化し生まれた怪物は、彼女を苦しめる全てを・・・といった物語。
どことなくオシャレで不気味な北欧ホラー作品。5月中旬現在、4週連続でミニシアターランニング入りとのこと。これ中々凄いですよね。
まずは、主人公の女の子の表情ひとつひとつが素晴らしいですね。無理して哀しみを押し殺そうとする雰囲気なんかは抜群。
対して物語は、怪物の悍ましさやウゲゲな展開、そして自分本位過ぎる母親の味付け何かは良いんだけど、今一パンチ不足というか、これといった見せ場は感じられず。。
まぁメインは怖さというよりは、ダメな母親を中心に、問題と向き合わない父や癖アリの弟といった家族の不安定さを観ることでしょうか。そんな彼らと、自分らしさを出せずに遠慮しがちな主人公の対比が鮮烈。
母親のキャラクターは見応えありましたね。母として、娘のことは愛しているのは伺えるんだけど、その愛情も兎に角何もかもが自分の為って感じ。んで、息子をオヤジに任せるのは良いとして、ティンヤも戦力として連れて行くなよw相手は得体の知れない怪物なんだぞw
個人的には、終始ハマり切らなかった作品だったけど、終わり方は、このテの作品としては珍しく嫌いじゃなかったかも。
この母親もまた表情作りが上手く、その感情やこの先がどうなるのか・・・色々と考察させられますね。
どっちにしても問題は山積みだ。例えば、今後の食事とか、、、
そして、ポスターでは存在感を放っている謎のお面。
出て来るには出てきたけど、何か深い意味はあったかな??
よかった
カラスの化け物が女の子の化身でもあり、実際のところ実在したのかどうかも定かでない感じもするのだけど、体操の大会に出場中に赤ん坊を襲うことはできないのでやはり実在したと見る方がいいのだろうか。
お母さんの顔の圧がすごい。彼女は浮気相手に捨てられるより、あのつまらなさそうな動画がまったくバズらないことや、クソコメに発狂する方がリアルだと思う。
卵のうちは主人公も可愛がっていたのだけど、いざ孵化すると見てくれの不気味さに引いている。それでもケアするので、すごくいい子だなあと思う。
弟が主人公に意地悪を言うのが姉弟らしい。
名前の付けられない、自分でもよくわからない感情というものは、不安の...
名前の付けられない、自分でもよくわからない感情というものは、不安の対象でもあるし、恐怖の対象でもある。
少女のそのような名付け不能な負の感情が大きく育って生まれたのが、あの、鳥のような分身である。だからこそ、あの鳥は、言語を話すことができず、声にならない不快な音で叫ぶ。まさに、名付けできない(言語化できない)複雑で恐ろしい感情そのものの具現化なのかもしれない。
母が娘を自分の理想通りに育てようとしたように、ティンヤも鳥を理想通りに育てようとする。
娘は母に喜んでもらいたくて、体操の練習をするけれど、なかなか上達することができず、母を喜ばせることができない。娘は悲しい。
鳥はティンヤに喜んでもらいたくて、近所の犬を殺したり、友だちや赤ちゃんを襲ったりするのだけれど、もちろんティンヤは喜ばない。鳥はなぜ彼女が喜ばないのかを理解できずに悲しい。
なんともおぞましく、悲しい連鎖。人は自分が教わったようにしか、人に教えられないし、愛されたようにしか愛せないのかもしれない。
クローンを作ろうとする行為のなかに潜むおぞましさがすべて、母、娘、鳥のつながりのなかに現れていたように思う。
最後はティンヤ(少女の善の部分)と鳥(彼女の言語化できない悪の部分、言語化してはいけないようなおぞましい感情を担っていた部分)がひとつの身体に統合してしまう。ティンヤが死んで、鳥が生き残ったように描写されるけれども、彼女たちはそもそも、分身状態にあっただけで同じ個体なのだ。ふたつの個体としてはっきり分けられていた善/悪が混ざり合って曖昧になる。だけど、それは、わたしたちすべての人間の状態と同じ。ほんとうにこわいのは、わたしたちが、そのようなおぞましい悪の感情を誰でも等しく持っていて、理性で制御しているから行動に表さないだけということ。なにかをきっかけにそれは暴走してしまうことがありうるのだ。
人間は自分の悪の部分をなかなか受け入れることができない。だから彼女はなんども嘔吐してそのような自分を吐き出そうとする。だけど、吐き出しても吐き出しても、自分の汚い部分が臭い匂いを伴って、目の前に嘔吐物として可視化されるだけである。自分の嫌な部分と向き合い続ける真摯な姿とそのつらさもまた、丁寧に描き出されていたように思う。
フィンランド版毒親➕自撮り大好き女➕動画配信好き死んじまえ映画(ホラーですから)(私の悪意もハッチング)
①このくらい徹頭徹尾母親が悪者の映画も珍しい。どこか同情・共感できるところ(有望なスケート選手だっのが怪我で挫折して心に傷を負っているとか)を探したが、どこを切っても出てこない。②ホラーということだが(そんなに怖くない。始まって3分の1くらいの辺りで少しだれるし)、この映画で一番ホラーなのは、卵が大きくなるところでも、卵から孵った“あれ”でも、“あれ”が隣の犬を殺したりレーヤを襲って重傷を負わせたり、赤ん坊を殺そうとするところでもなく、ほぼ冒頭で家に飛び込んできたところを捕まえた鳥の首を母親が平気で折って殺すところ。あれが母親の本性を表している重要なシーンであり、全ての怪奇現象の発端である。(アガサ・クリスティの『殺人は容易だ』に殆んど同じ様な描写があり、それが連続殺人の遠因になっている。真似たのかな?)③卵から孵った“あれ”がいずれティンヤにとって替わるだろうことは想定内(昔、日本の少女向け恐怖マンガによく似たものがあった様な)。④「自分が幸せになることを外(自分の家族であれ他人であれ)に求めているうちは誰も本当の意味で幸せにはなれませんよ、ママ。」⑤あの母親であれば入れ替わったティンヤを入れて、また見せかけの幸せ家族の動画を撮って配信しそう。それが一番ホラーだ。
ラストに唖然… この家族は、この後どうするんだろう
フィンランドのとある裕福な一家
自分が注目されることしか興味がない母の自己承認欲求を満たすアイテムとして、表向きは幸せに暮らす12歳のティンヤ
父は頼りにならず、弟は母の期待を浴びる姉に嫉妬を隠さない
自身の我慢により家族のバランスが保たれていることを自覚し、気持ちを押し殺して生きるティンヤが、ある日夜の森で鳥の卵を拾い、持ち帰ったことから悪夢が始まる
ティンヤの母親のような人はどこの国にもいるけど、イタイ若作りの服を着て、娘に自分の理想を押し付け支配し、夫公認で不倫相手の家に外泊して、とやりたい放題
挙げ句の果てに、思春期の娘に不倫相手のノロケを聞かせて、1人悦に入る始末
そして、父は傍観するだけでなく、娘に理解を求める
ティンヤの抱える悲しみと怒りが、卵から孵った生き物として具現化し、育ち、新たな意志を持っていく様が不気味でありながらも、生き物にアッリと名付けて、自分に与えられなかった「守る」という母性を向けるティンヤの切ない心情と重なり哀しみも
SNSで自己承認欲求を満たすことに執着する大人の犠牲にされた子供の内面の崩壊と、家族という共同体の破滅が、フィンランドの平和的で美しい風景との対比で、さらに悲壮感を増す
ラストは予想外の展開に唖然…
けど、そこに来てしっかり伏線が張ってあったことに気づく
そうきたか…
この監督の次作も見たいと思った
孵化
しちゃいましたね。
いきなりグロテスクだったけど、すぐにお母さんになっちゃいました。
少しでも思ったら、行動してしまいます。
弟は、感がいい!
ラスト、???
シーリ・ソラリンナさんの今後の活躍に期待です。
監督の次作に期待
ポスター画でヤられてしまい、公開を楽しみにしておりました。あの仮面の意味については語られていませんでしたが、何をモチーフにしてるのか等デザイン背景が気になるところ。
本作のようにイタイ人を皮肉るような作品は、観ていて痛快且つ自分自身も心当たりがある時があって、その時に生まれる密かな恥らいが刺激的で好きです。お母さんの「余計なものはカットすればバレない」というポリシーが最後の最後まで一貫されているおかげで娘の憎悪が肥大化して娘は崩壊し、最後は新しい娘が生まれる…。うん、サイコーだ。お母さんはまだしも近所の女の子に対する憎悪は一見観て取れなかったので余計に怖い(それがよりリアルだ)。お母さんの愛人についても印象的で、「自身のみっともない姿を見せて女の子の羞恥心をカバーする」という神配慮には軽く感動してしまった。そりゃお父さんも白旗を挙げるよ。てっきり殺される役柄と思ってたけど、痛い目を見るのはお母さんのみっていうのもナイスな展開でした。90分とは思えないくらい情報量は詰まっていており、監督にはいずれもっと刺さるモノを作ってくれるんじゃないかと期待しています。
柔らかい光の中でのホラー
フィンランドの柔らかい光なんだが、異常な程長い昼を演出していない気がした
その中での近代的な家、今時の家族
確かにこの怪物は恐ろしい
しかし、真に恐ろしいのは皆さんが書いてるように母親
自分の思い通り、全てを正当化する、してしまうのが怖い
家族は誰も逆らえないのが怖い
最後まで期待して観てたんですけど・・・・・・
アナログ感のある北欧ホラー
フィンランドの映画何て初めて観たけどこれお化け鳥から始まる物語 エクソシストの様な雰囲気が怖かった でもなぜ彼女と同じ姿になって連動したのかラストの意味は観たものが判断しろと?
キモい刷り込み
鳥類に多い生まれて最初に見たものを親と思い込む刷り込み。
しかしこんな刷り込みは迷惑千万です。
恐いってほどでは無いけど(母親は恐かった)キモいエグいってとこですかね。
あの後想像すればあの母親はおそらくアレをティンヤとして受け入れそうだな。
笑顔が不可解的なサイコスリラーを想像していたが、トンデモB級になっ...
笑顔が不可解的なサイコスリラーを想像していたが、トンデモB級になってびっくり。
完全B級枠ですよね!?
間違ったチョイスだったのか、グロいシーンで目を覆う人がチラホラ、それが気になってしまった。笑
観ておいて良かった!
私は一体何を育ててしまったの…?
「毒親は怪物を育て上げてしまうのかもしれない…」という強烈に突きつけられるテーマ
今年度最高のホラーかもしれない…
北欧的な独特な空気感、最高…
すべてのシーン、セリフ、描写に意味がある
終盤に繰り返される「私が育てたの」=「お前が私を育てたんだぞ」という二重の意味
意図せず成功してしまう“托卵”
全てが完璧にまとまる素晴らしい映画だった…
最高…
毒親の駒だった「よい子」の葛藤と自我の目覚め
一見ホラーだが、主人公ティンヤが母親の精神的な束縛から抜け出し、自我に目覚める物語に見えた。
母親の太腿の傷は、昔彼女が怪我で自分の夢(スケートだったっけ)を諦めたことを匂わせる。その反動が、家族も巻き込んだインスタ映え生活と、娘への過剰な期待だろう。当初ティンヤは体操の大会入賞へと邁進することに疑問を持っていなかったが、ためらいなくカラスの首を捻る母の姿を見たことをきっかけに、彼女の心にわだかまりが宿る。
彼女が拾い、どんどん大きくなってゆく卵は、そのわだかまりが投影されたものに見えた。ティンヤ自身、そのもやもやとした気持ちが何に対するものなのか自分でも明確には分からない段階が、卵として表されている。
卵の孵化は、母親の言動に対する違和感や反発心、人間が当たり前に持つ負の感情をはっきりと自覚したということ。理想的な家族としての生活を母親から実質的に強制されてきたティンヤは、そういった感情を意識の下に押し込めて生きてきたのだろう。その自覚は自立心の芽生えだが、母に言われるままに育ってきた少女にとっては、これまで信じてきた母親と自分自身のあり方の否定にも繋がる、恐ろしい考えでもある。序盤のアッリの外見の不気味さは、その恐ろしさを象徴している。
アッリはティンヤの心に浮かんだ負の感情の対象に危害を加えてゆく。自分の手を噛んだ隣人レータの飼い犬、自分より体操が上手くて母を不機嫌にさせたレータ、自分よりも母親の愛を引きつけた浮気相手テロの子供。アッリの所業を恐れつつも、ティンヤは本当の親鳥のように、吐き戻した餌をアッリに与えて育む。成長するにつれ、アッリの外見はティンヤに近づいてゆく。アッリは感覚的にティンヤと繋がっていて、アッリが傷つけられるとティンヤも痛みを感じる。それは、彼ら二人が一体であることを示唆している。
最後に母親がアッリに気づき、ティンヤとともに包丁を持って立ち向かおうとする場面は、一見母娘の和解と共闘のようにも見えるが決してそうではない。母はアッリさえ倒せば全て解決すると言っていたが、アッリは母のねじれた欲求の捌け口にされ押し潰されたティンヤ自身でもある。母はそのことに目を向けず、娘の心の思惑通りにならない部分を消そうとしたに過ぎない。
そもそも、本作で一番恐ろしいのは母親だ。キラキラ生活を動画で晒すのは好みの問題だからあえてどうこう言わないが、浮気のことまでキラキラ要素であるかのように娘に(娘の反応も仔細に確認せずに)話すし、ライバルに負けると体操の大会のライブ映えが悪くなるからと娘にスパルタ。浮気相手に振られてハンドルに頭を打ちつけるのはもうドン引き。もはや母親がメインキャラのサイコホラーだ。映画の締めだからといって、こういう毒親と茶番のような和解をする必要は一切ない。
ラストで、母が育てた「親の言うことを聞くティンヤ」が刺され、見た目までほぼティンヤに変貌したアッリが覚醒する。いい子を演じる親の操り人形から脱する苦悩と自立の物語としては、痛快なハッピーエンドだ。
フィンランド語が新鮮
仏ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭でグランプリを獲った作品。(サンダンス映画祭プレミア上映)
「TITANE」に続き、これもハリウッド資本でない。
アイディア的には真新しいものはないが、造形が不気味、成長していく恐怖。
トラウマティックな母親。これが全ての始まり。
ラストが唐突なので、置いていかれる感がある。
もうひと工夫ほしいところ。
本年度ベスト
北欧スリラー映画独特のドライな空気感、非現実感のあるミニマルな映像、音楽でシンプルな構成ですが、
観る者の神経を逆撫でするような、気持ちの悪い効果音や必要以上に繰り返される嘔吐や汚物の描写にノックアウト!笑
ルカ・グァダルーノ版「サスペリア」等もそうでしたが、効果音がエグい!バキバキッ!と人体崩壊する音が、グロい映像を観るよりもキツい!
久しぶりにポップコーンを買ったことを後悔した笑
ラストは見せかけの家族を捨てて、"それ"と対峙する家族の姿に「エクソシスト」の血統を感じ感動した。
本作で映画初出演というティンヤ役のシーリ・ソラリンナさん。母親の嫌〜な告白で笑顔から何とも言えない泣き顔へと変わっていく表情を捉えたカットが素晴らし過ぎる。
ショックシーンへ至るまでの"溜め"も見事笑
非常に印象に残る映画だった。
外面人
ホラー話。母はそとづらに家族の幸せを演出したい人、娘は母の期待に応えようと頑張っている。
娘は拾った怪鳥の卵を孵化(ふか)させてしまい、そこから手がつけられなくなる。
ハッチング孵化というタイトルは最初だけであとはほぼ無関係。ややグロ注意。
面白さは凡。
良い点
・弟のメンツ
悪い点
・叫びがち
その他点
・その後どうなったか考えさせられる。続きで観たかった気もするが。
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