劇場公開日 2022年7月1日

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「同じ日に観た『わたしは最悪。』とよく似ていることにビックリ。主人公が醸す等身大の存在感が愛おしくてしょうがない、どこまでも甘酸っぱい青春ドラマ」リコリス・ピザ よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0同じ日に観た『わたしは最悪。』とよく似ていることにビックリ。主人公が醸す等身大の存在感が愛おしくてしょうがない、どこまでも甘酸っぱい青春ドラマ

2022年7月2日
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鑑賞方法:映画館

舞台はLAのサンフェルナンド・バレー、映画館で上映している作品が『007 死ぬのは奴らだ』と『メカニック』なので1973年頃と半世紀前の話ですが、さっき観たばかりのノルウェー映画『わたしは最悪。』と物凄くよく似た話なのでビックリ。主人公のアラナは撮影助手。子役のオーディションの手伝いをしているところを15歳の生意気な子役俳優ギャリーにナンパされたのがきっかけで仲良くなるが、子役としてはとっくに旬を過ぎてしまいとっとと俳優稼業に見切りをつけて次々と色んな商売を始めるギャリーにアラナもどんどん巻き込まれて・・・という話なので『ファントム・スレッド』とはある意味真逆。見た目はデカいのに中身が全然子供のギャリーが鬱陶しいけど放っておけないアラナがいじらしくてしょうがないです。チョイチョイぶち込まれるユダヤ教ネタ、日本語ネタやちょっとした下ネタ等がとにかく楽しいですが、最高に楽しかったのはショーン・ペンとブラッドリー・クーパーのキレ芸。『初体験 リッジモント・ハイ』以来のハシャギっぷりを披露するショーン・ペンにビックリしましたが、より印象的なのはブラッドリー・クーパー。実在の映画プロデューサーであるジョン・ピーターズが繰り広げる奇行を嬉々として演じる姿は『ブギーナイツ』で麻薬王ラハッドを演じたアルフレッド・モリーナと同じくらい壮観です。

母のようにも姉のようにも恋人のようにも見えるアラナを演じているアラナ・ハイムがとにかくキュート。女優然として完璧な美貌ではなくすぐそばにいるかのような等身大の存在感が途方もなく愛おしいです。アラナの姉妹がアラナによく似ているのに驚きましたが、エンドロールでアラナの家族は全員彼女の実際の家族が演じていることを知って納得。そして三姉妹がサンフェルナンド・バレー出身のバンド、ハイムとして活躍中であることに驚きました。

何かと旧作との繋がりが気になりますが、やっぱりギャリーを演じているのが『ブギーナイツ』や『マグノリア』での名演が未だに鮮烈なフィリップ・シーモア・ホフマンの息子、クーパー・ホフマンであることにジンときました。そしてさらにグッとくるのがエンドロールです。

よね
よねさんのコメント
2022年7月29日

あそこで盛大にスベるというのが楽しかったです!

よね
はなもさんのコメント
2022年7月29日

こんにちは。
 オゲレツな下ネタは 笑えました。時代を感じました。

はなも