「ジュリエット役の可憐な魅力と変わりゆく姿に心奪われる」英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2021/22 ロイヤル・バレエ「ロミオとジュリエット」 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ジュリエット役の可憐な魅力と変わりゆく姿に心奪われる

2022年4月12日
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バレエ版「ロミオとジュリエット」と聞くと、耳の奥底でプロコフィエフ作曲「モンタギュー家とキャピュレット家」が鳴り響く。この厳しくも重々しいメロディに乗せて両家がズンズンと歩みを進める中、初対面で心惹かれ合ったロミオとジュリエットは、周囲の目を忍んでは純真な思いを捧げ合い、持ち前の躍動感とフレッシュさで観客を魅了する。特にジュリエットはこのたった2時間で可憐な少女から大人の女性へと変化を遂げていくかのよう。映画好きにとっては、お馴染みのバルコニー場面で「ロミ&ジュリ」や「ウエスト・サイド・ストーリー」などの名作と見比べるのもまた楽しい。至上のパ・ド・ドゥを披露するアナ=ローズ・オサリバンとマルセリーノ・サンべは、ロイヤル・バレエ・スクール時代からの付き合いだとか。基本を押さえるだけでなく、個々の創造性を必要とするマクミラン版の振り付けだけあって、二人の関係性や絆が際立つ内容に仕上がっていた。

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牛津厚信