劇場公開日 2024年3月15日

「女性目線」私ときどきレッサーパンダ キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5女性目線

2024年3月27日
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今回の「ディズニー作品リバイバル」的なイベントはありがたいと言えばありがたいんだけど、やっぱりコロナの中で映画館が敬遠され、観客から見ても映画館の経営危機が心配される中、お客さんの集められるディズニー・ピクサー作品が、率先して劇場公開をやめてサブスクでの集客にシフトしていった過去の印象が、私にとって特にこの作品達にはついて回る。

「ディズニーさん、あなたたちはこれまで映画館でしこたま稼がせてもらって来たんだろ?」と。

もちろんビジネスとしての非情さは理解するが、映画館好きにとっては看過しがたい過去なのは間違いない。

ま、もちろん作品に罪はないわけで。

冒頭から、いかにも中二病だったりのキャラクターたちのノリは観ていて微笑ましい。

で、変身となるワケだけど。

レッサーパンダに変身した時、何であんなにあえて直接「生理」に結び付けようとしたのかな。

あんな描写なくても、女の子が女性になっていく過程のメタファーとして受け止められるのに。

あそこまで「生理」を強調されると、男性の私としては、生理について女性の感じていることには共感しにくい部分もある。

中国という封建的な社会でのお話なので、より女性が自分らしく生きていくことが上の世代ほど難しかったんだろう、とあくまで「女性」に照準を絞っている感じが伝わって来て、(そんなつもりはないけど)なんだか「いたたまれない」というか、居心地の悪さも感じてしまった。
決して物語自体は過去の男性社会を批判することを主旨としていないことが分かるだけに、私にはベクトルの違う印象になったのは否めない。

もちろん内容は「自分らしく生きること」をテーマとしたいい話なんだけど
、話のクライマックスからオチにかけても、あまり斬新さが感じられなくて残念。

ただ、主人公の声優さんはすごく上手だったな。

キレンジャー