劇場公開日 2023年2月17日

「音楽シーンの勢いや良し!」BLUE GIANT 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5音楽シーンの勢いや良し!

2023年2月28日
PCから投稿

すごい音楽シーンがいくつもあった。その音楽シーンの中でさえ、2D、3Dのマッチングがうまくいってない気はするが、それでも怒涛の演奏と映像表現に押し切られる。なにかクリエイティブなものを描く作品で、劇中に出てくる表現がショボくて心が離れることがあるが、『ハケンアニメ』の劇中アニメのクオリティがみごとだったように、『BLUE GIANT』の音楽(ドラマシーンのBGMは除く)は作品の中の演奏として力がある。

ただ、音楽シーンに注ぎ込まれた熱量とスキルに比べて、ほかのシーンの演出、作画、セリフ、ストーリー面との落差が大きすぎるのではないか。全カットに同じエネルギーを注ぐことはできず、どこに力を入れるか配分するのがスタッフの腕の見せ所だと思うのだが、ちょっとクオリティの上下幅がでかくてノイズになってしまっているように思う。あとこれは本作に限ったことではないが、マンガやアニメの多くは、年配のキャラをどう描くかに向き合ってこなかった弊害があるのではないか。

一点突破の強度に乗っかっていくか、どうしても気になる箇所で躓いてしまうかで大きく評価も変わる作品だと思うが、音楽シーンはやはり無視できない魅力がある。個人的には、観てよかったとはいえ、もっとイケたはずだともったいなく思う。

村山章
on28さんのコメント
2023年3月11日

失礼します。仰る通り、ライブシーンに比べ他のシーンが一昔前のレベルの気が。
やはりスラダンや鬼滅レベルって凄いのが再認識。モーションキャプチャー効果が残念な結果だった個人的感想です。 言い過ぎを覚悟で言うならこの作品の質の凄さを確立したのは作品監督と言うよりも音楽監修の上原ひろみ効果なのかな?
もっと時間と経費が有れば良かったのでしょうか?

on28