「テキサスにおける共和党支配の怖さ」炎の裁き グリンリーフさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5テキサスにおける共和党支配の怖さ

2021年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

この映画は二つの大きな問題を描いている。一つはテキサスの司法制度における共和党支配の実態と、その恐ろしさだろう。もう一つは冤罪の怖さ恐ろしさだ。

ハートビート法に見られるように、テキサスにおける共和党の振る舞いは度を越している。ニクソンの麻薬取締から始まるハードクライムの流れは、結局黒人とプアホワイトの選別と隔離を残しただけで、その結果残ったものが何なのかをこの映画は描いている。

テキサスの知事が死刑囚の助命に耳を傾けないのは、州内保守層の支持を失う恐れがあるためで、ハードクライムの考えから抜け出せないのだ。ハートビート法を成立させたテキサスの共和党は、政権維持のために移民や黒人、低所得者(民主党支持者が多い)が選挙に行けないように投票場の数を削減し選挙登録を難しくしている。テキサスにおける右派保守の支配は当分つづくだろう。

映画の訴えるもう一つは冤罪の恐ろしさだろう。冤罪を描いた映画では「ライフ・オブ・デビット・ゲイル」が忘れられない、この映画も同じ様に死刑の執行が迫る中、何とか死刑囚を救おうと人々が努力を重ねるのだが、結局は間に合わない。映画「ライフ・オブ」ではその結果の責任をはっきりと司法に問いただしているが、この映画では人間関係を強調しすぎているようで、そのあたりの描き方に不満が残る。

だが結果としてこの映画が事実をもとに描かれていることを考えると、寛容とやさしさで死刑囚を救おうとした一人の女性を焦点にすることによって、まだ世界に救済はある、正義はいつの日か、苦しむ人を救うかもしれない、と希望をもたらしてくれる。その意味では良い映画だと思う。

グリンリーフ