劇場公開日 2021年12月24日

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「全ては二つの魂、全身全霊の激突のため」ただ悪より救いたまえ 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0全ては二つの魂、全身全霊の激突のため

2021年12月30日
PCから投稿

韓国映画なのに舞台は日本とタイ。それだけですでに驚きだが、本作の筋書きや動線にしても、一見複雑かと思いきや、実はとてもシンプルであることに驚かされる。全てはファン・ジョンミンとイ・ジョンジェという二大俳優の激突のために用意されたリングのようなもの。この真逆の炎を宿した二つの魂と肉体は、死闘を通じて一体どんな化学反応を巻き起こすのか。一方は泥臭くも職人的に仕事をこなす殺し屋で、もう一方は狂気と激情を合わせ持ち、氷のような冷たい目で見つめる毒蛇のような殺し屋。かくもお互いが惹かれ合うかのように殺し合う二極対決にはゾクゾクさせられるばかりだが、アイディア満載の銃撃戦や肉弾戦、そしてバイオレンスや乾いた笑いを織り交ぜ、ボルテージは汗と血と涙にまみれ、常に右肩上がり。少女の登場で主人公の人間性がギュッと絞り出される仕掛けも実に効果的だ。終盤に『レオン』のような叙情的な香りを感じたのは私だけだろうか。

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牛津厚信