劇場公開日 2021年12月3日

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「ロザムンド・パイクの演技があっての一本」パーフェクト・ケア talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ロザムンド・パイクの演技があっての一本

2023年9月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

日本でも成年後見人の非行(成年被後見人の財産の横領・使い込み)は、世上、よく新聞紙上を賑わしたりしますけれども。
こういう映画が作られるということは、この問題は、洋の東西を問わないのかも知れません。

たとえ判断能力がなくなってしまったとしても、評論子には、後見人に管理してもらわなければならないような、めぼしい財産がないことの安心感を改めて噛みしめることのできた一本であることはさておき、成年後見人制度の暗部を浮き彫りにする社会派の作品…否、一種の「クライム・サスペンス」というべきなのかも知れませんが…、そういう作品として、決して二流には落ちない一本だと思います。

ことに、主演を張ったロザムンド・パイク、彼女の魅力炸裂いう点も、特筆すべき一本でしょう。そのことについては、他のレビュアー諸氏も異論のないようです。彼女の演技あっての本作と言えると思います。評論子も。
マフィアの策略でクルマごと沼に叩き込まれ、あわや溺死の危機に瀕しても、冷静にシートベルトを切断し、ウィンドウを叩き割って脱出。ずぶ濡れのままロードサイドの店に入ると、体力温存のための食料と着替えを買い込むと、顔色一つ変えずに、レジのオヤジの眼の前で下着一枚になって(そのまま着ているとどんどん体力が消耗してしまう)濡れた衣類を脱ぎ捨てて着替える…。

そういう点では、『ゴーン・ガール』でも魅せた彼女の「胆の座りっぷり」ということでは、決して『ゴーン・ガール』に引けをとらない一本だったと思います。

良作ではあったと思います。

talkie