劇場公開日 2023年4月14日

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「他人の不幸は蜜の味」幻滅 かばこさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0他人の不幸は蜜の味

2023年6月11日
PCから投稿

詩人は、日々事象心情を表現する的確な「言葉」を見つけることに腐心しているので、キャッチーな批評記事を書くのにとっても適性があるような気がする。
なので、野心も併せ持つリュシアンには、記者は「天職」と言っていい仕事だった。
転落は、奢った瞬間に始まるようだ。

人の悪意は底知れない。
時代の寵児となり絶頂を極めたところ、足をすくわれて一気にどん底、そういうパターンは今だって同じ。
そして人々はそういう転落劇が大好物。昔も今も。
餌食になるのは「浮かれていい気になっている」のが目につく、うざいやつ。
リュシアンを例に、痛い目をみたら、なぜそうなったのかそこから学習しましょう、というとってもシンプルな教訓がありました。

ナレーションはルストーの声とのこと。
彼みたいに本来の目的を貫きつつ上手くやれる人もいて、そういう人に私はなりたい。

音楽が割りとポピュラーなクラシックで馴染みがあり、豪華な装飾品や衣装に美しい人々、おとぎ話の実写みたいで目に麗しかったです。

作品は、その出来不出来良し悪しに関わりなく金次第で持ち上げられ葬られ、「芸術」の命運を握っているのは徹底した拝金主義のマスゴミ! と一瞬呆れたけど、現代でも不可思議なことはある。
秀作と思った映画がマスコミにスルーされ、評価のやたらに高い映画、権威ある賞を獲った映画が、実際見たら????というのはよくあることです。

かばこ