劇場公開日 2023年4月14日

  • 予告編を見る

「虚飾と欺瞞の果てに」幻滅 bionさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0虚飾と欺瞞の果てに

2023年4月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 文才と美貌に恵まれた田舎の青年が、パリで舞い上がって見事に堕ちていく。引きで見ると喜劇、近くで見ると悲劇を地でいっていて、それをスクリーンで歴史的な興味を持って鑑賞する自分がいる。

 当時のパリの新聞は何でもありで、企業ゴロが東スポを発行しているようなもの。金を払えば、本や演劇を絶賛する記事を書くし、ライバルを酷評する記事も金で請け負う。それに加えて、ガセネタでも新聞が売れそうな記事は何でも載せる。
 フェイクニュースに飛びついてしまう人間の習性は、いつの時代でも同じ。

 復古王制時代のパリってスゴイ活気がある。革命政権、ナポレオン帝政と内戦と戦争に明け暮れた時代の反動なんだろうけど、エネルギーが溢れている。

 歴史が好きでドロドロした人間も好きな自分には好物の作品でございました。眠気とも戦う必要があります。

bion