劇場公開日 2021年11月19日

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「躍動する「知」」茲山魚譜 チャサンオボ taroさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0躍動する「知」

2021年11月30日
PCから投稿

史実に基づいた映画で、朝鮮王朝時代の離島が舞台で、モノクロ。これだけで判断すると芸術系の映画のように思われるかもしれないが、本作は、良い意味で大衆映画である。テンポもよく、登場人物(役者)が魅力的である。

テーマはいくつか埋め込まれている。宗教、身分制、学問などである。その中でも、学問が大きいように思った。学問とは何か、何のために学ぶのか?そうした事を楽しみながら考えさせられる映画である。

貴族(両班)のたしなみである儒学を熱心に学ぶ漁師の青年、その青年の手助けを得て魚介類の生態を学ぶ儒学者。その学びの先には何があるのか、その学びは彼らに何をもたらすのか?それは、必ずしも幸せばかりではなかった。しかし、学びに打ち込んでいる両者の姿は、とても幸せそうで、精神が躍動しているのがスクリーンから伝わってきた。学ぶ事は快楽なんだと、改めて教えられた気がする。

taro