劇場公開日 2022年11月25日

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「こういうナイト物語はある程度知識がナイト」グリーン・ナイト 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5こういうナイト物語はある程度知識がナイト

2023年8月9日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

難しい

寝られる

こういう中世騎士物語はある程度設定や背景を知っていないと入り込めない。
本作の場合、アーサー王伝説が絡む。
その甥で、円卓の騎士の一人、ガウェイン。
騎士道精神溢れる英雄らしいが、本作では騎士になる前。
別によく知らなくとも見れない事はないが、こういう切り口で来たか!…など斬新な驚きはない。

騎士になる前の若きガウェイン。怠惰な日々を送る。
アーサー王や騎士らが一同に会した宴の席に、異様な風体の“緑の騎士”が現れる。“首切りゲーム”を持ちかける。
挑発に乗り、ガウェインは首を斬り落とすも、騎士は「一年後に同じ一撃を受けよ」と言って去る。
やがて約束の一年が近付き、ガウェインは王らに言われるがままに騎士の待つ“緑の館”を探す旅に出る…。

一応冒険ファンタジーではあるが、剣や魔法やドラゴン、胸躍る冒険やアクションを期待すると肩透かし。
終始重苦しい雰囲気。ダーク・ファンタジー。暗示や意味深なものも示され、難解でもある。
道中出会う人々や体験する出来事。親切心、裏切り、救済、誘惑、警告…。
旅の終着、緑の館。対峙、恐れ、受け入れ…。
運命、行く末、今現在…。
苦悩する一人の若者はそこで何を見たか。
迷える者が己を決心する内面の物語をじっくりと描く。
訴えたい事、伝えたい事などは何となく分かるが、高尚と言うか敷居が高過ぎて、あんまりハマらなかった。

A24×監督デヴィッド・ロウリーによる独創的な世界観には目を見張るものがある。
ダークな映像美、木の身体の緑の騎士のビジュアル、重厚で幻想的な音楽…。巨人と遭遇するシーンは圧巻。ハリウッドで『進撃の巨人』を映画化したらあんな感じ…?
デヴ・パテルも深い演技。

後はよく…。自分の好みの作品ではなかった。
つくづく、騎士道の風上にも置けない自分…。

近大