劇場公開日 2022年1月28日

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「Pure Japaneseという鼻の粘膜をこすり取って検査すると、...」Pure Japanese 脳天さかおとしさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0Pure Japaneseという鼻の粘膜をこすり取って検査すると、...

2022年2月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

Pure Japaneseという鼻の粘膜をこすり取って検査すると、何%日本人かわかるという余りに怪しい妊娠検査キットみたいなガジェットがいきなり出てくるのにびっくり。
さすがに後でまったくのインチキだとわかるが、それを解説するテレビ番組がまた片方がガイジンというのがまたヘン。
テレビで日本スゴイ番組が氾濫したりする風潮を諷刺したというには、常識のラインが元からズレている。

江戸ワンダーランドで立ち回りのスタントをやっているディーン・フジオカが検査してみると100%日本人だと言う。実はキットのアップだけだと0%なんだか100%なんだかよくわからない。このあたり、演出の押しが足りない。
フジオカ自身の「純粋の」日本人とは受け取られていない思いを込めたのかもしれないが、表現の仕方がヘン過ぎ。

で、このフジオカが前にスタントの現場の事故でおそらく実はわざと人を殺していて(それを業界の人間が知らないで使うってことあるのか)、もともと秘めていた狂気がラストでヤクザを雇った横暴な政治家に対して噴出して血みどろの立ち回りになるという話だが、秘めていたというには初めから日本刀をたくさん飾って振り回しているのだから危ない奴だというのは丸わかり。というか、この世界には銃刀法というのはないらしい。蒔田彩珠の女子高生がいきなり訓練もなしにライフルぶっぱなしますしね。

さらに政治家が土地を売らない老人に毒を盛ったと主張したり、その事務所をメチャクチャにするとか、アブない人全開。この場合完全に被害者の市会議員が被害届出しているのに平気で警察が見逃すというのも凄い。
政治家が有権者を招いて飲み食いさせる(饗応罪にならんのかな)場でヤクザを侍らせているというのも有り得ない話。あんなにヤクザがおおっぴらに暴力ふるうって、ここでは暴対法という法律もないらしい。

フジオカの怒りが噴出するのに掘削していた温泉が噴出するのとカットバックするという斬新な演出にびっくり。
テーマパークと温泉はかなり離れているはずだが、温泉が立ち回りの舞台のテーマパークに雨みたいに降ってくるというのも斜め上に凝った演出。

血みどろアクションの殺陣は動き自体は悪くないが、だんぴら持ったフジオカに素手でヤクザが立ちむかったり、あちこちすっぽ抜けている。
フジオカはターミネーターもびっくりだし、締めくくりにまた文学趣味みたいなのが出てくるのも落ち着かない。

渡辺哲が歳とったなあと思わせるし、別所哲也がバカに人相悪くなった(だから政治家役なのだが)。

どうしてこうなる、の連続。

脳天さかおとし