劇場公開日 2021年9月24日

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「殺人鬼にとって優位なシチュエーションで二転三転するドラマ」殺人鬼から逃げる夜 五所光太郎(アニメハック編集部)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0殺人鬼にとって優位なシチュエーションで二転三転するドラマ

2021年9月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

連続殺人鬼の男性と、彼に命を狙われた耳の聞こえない女性ギョンミの対決を描くスリラーサスペンス。ギョンミと彼女の母は手話でやりとりし、相手との会話は読唇術と筆記を中心に行うという限られたコミュニケーションによって、不意打ちにあったり、警察にすぐ助けを求められなかったり、通常のスリラーより殺人鬼に優位なシチュエーションが多く発生します。それによってスリラーとして面白くなるだけでなく、観客が耳の聞こえない人の立場を追体験できる効果もあったように思います。
一刻も早く現場を立ち去るのが常の犯人が、あえて現場に留まるのが本作ならではの面白いところで、主要登場人物がほぼ5人と少ないなか、工夫をこらした展開でドラマが二転三転していきます。いくらなんでも警察が介入しなさすぎではないかと思うところも少しありましたが、事件前のキャラ立てもしっかりしていて、最初のちょっとした仕草が終盤に生かされるなど、最後まで楽しく見ることができました。

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五所光太郎(アニメハック編集部)