劇場公開日 2022年4月8日

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「☆☆★★★ 原作読了済み。簡単に。 原作は7編の連作短篇集によって...」今はちょっと、ついてないだけ 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5☆☆★★★ 原作読了済み。簡単に。 原作は7編の連作短篇集によって...

2024年3月16日
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☆☆★★★

原作読了済み。簡単に。

原作は7編の連作短篇集によって構成されている。

・今はちょっと、ついてないだけ(立花浩樹)

・朝日が当たる場所(宮川良和)

・薔薇色の伝言(瀬戸寛子)

・甘い果実(佐山智美)

・ボーイズ・トーク(岡野健一)

・テイク・フォー(会田健)

・羽化の夢(立花浩樹&巻島雅人)

の7編が主な内容。

ところでこの映画、原作をよんでいる此方は内容を把握出来てはいたのだが。原作未読の人から観て、果たしてしっかりと内容を把握出来たのだろうか?
観ていて心配になるくらいに、「原作読んでいて当たり前」…と思うくらいに不親切な作りだった様にしか見えなかったのですけど…

何故そう思ったかと言うと。
作品中に1度だけ登場する《佐山智美》のキャラクター。彼女は「甘い果実」での主人公に当たる。
智美の名前は、原作の前半にて名前だけちょこちょこっと登場し。この「甘い果実」の回では、たった1人だけ海外でのリゾラバ話の主人公になる。
智美は、深川麻衣演じる《瀬戸寛子》が《ナカメシェアハウス》の事情を独白し主人公となる「薔薇色の伝言」だけ他の登場人物達と絡むので、原作未読の人から観て、「あれ?あの人なんだったの?」感が物凄く強い。

もう1人「ボーイズ・トーク」の主人公となる《岡野健一》は、団長安田が主人公となる「テイク・フォー」の時にほんの少しだけ登場するだけで。やはり「あの人誰?」感が漂うし。最後の「羽化の夢」で登場する高橋和也演じる《巻島雅人》も、最初から全体的な主人公である《立花浩樹》に対して、大きな影響を与えた人物として最初の「今はちょっと、ついてないだけ」から、殆どの話には間接的に登場するだけに。作品中に登場するや、原作を読んでいる人には「やっと出て来たか」感がするのだが。原作未読の人にとっては、「この人誰?」感がやはり強い。

映画本編は、「朝日が当たる場所」と「羽化の夢」を中心にして構成されていたと思う。但し、原作・映画共に題名として使われている「今はちょっと、ついてないだけ」は、最初の話の最後に登場する台詞から取られているだけに。本編が始まり、ほんの数分で終わらせていた「今はちょっと、ついてないだけ」の話を、「羽化の夢」の内容と絡ませていたのはちょっとだけ「嗚呼!考えたなあ〜」とは思った。

映画のポスターやチラシ等には主に4人が映っている。
《立花浩樹》
《宮川良和》
《瀬戸寛子》
《会田健》の4人。

映画にも登場する《ナカメシュアハウス》で仲良く暮らす。
(厳密に言うと、団長安田演じる《会田健》は、しょっちゅう遊びに来るイメージか)
どことなく、大人版少年ジャンプ感が漂う4人と言ったところだろうか。
この《ナカメシュアハウス》だけれど。映画では立ち退き話が有った筈なのだが、最後はうやむや的に何事も無かったかの様になり、映画は終わる。
この辺りも、原作読了済みの者としては、観ていて「なんだろうなあ〜、この原作読んでいて当たり前感は?」…と思ってしまった。

帰宅して、この監督の前作が『パーフェクトワールド 君といる奇跡』と知り、ちょっとだけ腑に落ちる。
いやいやいや!誰か「これじゃあ、原作未読の人が観に来た時に理解出来ないんじゃない?」…って、助言する人は居なかったのかい?としか、、、

2022年5月3日 シネマ・ロサ2

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松井の天井直撃ホームラン