劇場公開日 2021年10月29日

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「ジョンカーペンター監督の「ハロウィン」の続編の続編です」ハロウィン KILLS sarugakuさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ジョンカーペンター監督の「ハロウィン」の続編の続編です

2022年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

本作はハロウィンシリーズの12作目になりますが
オリジナル「ハロウィン(1978)」の正統な続編である
「ハロウィン(2018)」のパート2にあたります

スプラッタホラーの元祖との説のオリジナル「ハロウィン(1978)」ですが
ハロウィン(当時の日本ではいまほど一般的ではない)の夜に
ブギーマンという怪物が現われ子供を襲うと紹介されていました
実際の映画の設定は、マイケルマイヤーズという6歳で姉を殺して
それ以降21歳まで閉鎖病棟に収容されていたサイコパス殺人鬼で
主人公ローリーの伯父さんにあたる正真正銘の人間ですが、なぜか不死身です

オリジナル「ハロウィン(1978)」は何といっても怖かったです
まずマイヤーズの不気味なマスクとつなぎ作業服と肉切り包丁の三点セット
マスクですから当然無表情で、絶対にしゃべりません、荒い息遣いだけです
彼が登場するとあの音楽が流れ、強調された息遣いの音がそれにかぶります
ラストに銃弾を何発も浴び、二階から地面に落下しますが、不死身でした
(息遣いは、なぜか二作目からはなくなったそうです)

表情が読めないマスクに、マッチョではないけど妙にガタイがいい
意味や動機があいまいなまま何度も包丁を振りかざし襲ってくる
その人間の姿をしているが、理解不能な非人間的殺人鬼であるところに
何とも言えない不条理な恐怖を感じさせてくれました

その正統な続編である「ハロウィン(2018)」もよくできていました
大ヒットしたこともあって、本作も含めた三部作になるということです

で、本作ですが、物語はその前作の直後という設定です
1978年に高校生だったはず(実際は20歳)の主人公ローリーが
40年を経過したといえ、いくら何でも老け過ぎでは?
なんでマイヤーズは車の運転がうまいのか?とかはいいとして
主な登場人物たちが、どうしてそういう行動をとるのか?
観ている最中に何度も引っかかりました

だれもがフツーの台詞というよりはいろいろ語りたがりますが
すべての展開において、それに見合う行動を絶対にしません
どんなに恐ろしい相手なのかを充分承知のはずなのですが
重要なはずのチームワーク的な行動がまったくできず
成り行き任せの無謀な行動ばかりで、ハラハラさせてくれます

その感じは、順番に殺されていくホラー映画で、
次の犠牲者はこの人だなと、本人は気づかなくても観客はわかるという
観客が映画に入り込んでいくためのお約束の手段ではなく
まったく理解不能な怪物について、一生懸命理解しようとしても
結果的には何をしても無駄だという諦念のようなものだと思いました

サントラはオリジナルをアレンジし過ぎていた気がしましたが
ところどころで、ジョンカーペンター監督の他作品の音楽が
断片的に使われていました(気のせいかもしれませんが、、、)

う~ん、シリーズ三部作ですから、
次回作「Halloween Ends」は最終章で、すべてが片付くでしょう
でも、観るかどうか、いまのところは自信がありません

sarugaku