劇場公開日 2023年2月3日

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「父と娘、尊厳死のリアル。」すべてうまくいきますように レントさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0父と娘、尊厳死のリアル。

2023年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

知的

かつては殺したいほど憎んだ父親、実業家として長けてはいたが年頃の娘にとっては最悪の父親だった。
年頃の娘に対して散々無神経な言葉を投げつける。母親は長男を死産で失ってから長きにわたりうつ病で実質父子家庭。
父親を憎みながらも実業家としてはリスペクトしていた。そんな父が脳梗塞に。自分の思う通りに生きれない現状を嘆いて父は娘に尊厳死を持ち掛ける。
最初は一時的な感情かと思ったが父の意思は硬い。それを頼まれた娘は苦悩する。かつて殺したいほど憎んだ父、そんな父が殺してくれと懇願する。自分は父を殺したいのか、それとも思いとどまらせたいのか。娘の葛藤が丁寧に描かれる。この難しい役を演じたソフィーマルソーはさすがだった。
能天気に死を望む父とは対照的に苦悩する姉妹。フランス映画ならでは、ある部分とても能天気に見えて、ある部分とてもリアル。
自身が娘たちと同世代だけに要所要所で自分と照らし合わせずにはいられない。とてもリアルな体験が出来た稀有な作品だった。

後半は一種尊厳死をめぐるドタバタ劇の様相、しかし結末はやはりドラマチックではなく、現実を突きつけられる。
最後まで身勝手な父だった、娘たちがどんなに苦悩したことか。だが、最後の最後娘たちは親孝行ができたのだと信じたい。

レント
ミカさんのコメント
2023年3月5日

物分かり良いと都合良く搾取されて終わりですからね。

ミカ
ミカさんのコメント
2023年3月5日

アンドレの望み通りにやれたから、後悔はあまりないかもしれませんね。私の母は寝たきりになる前に死にたいと言ってましたが、女性の一番良い時だけ搾取される(納税、出産、育児ですかね)のはムカつくから、寝たきりでも生きて良いみたいなことを言うようになりましたよ。

ミカ
talismanさんのコメント
2023年2月6日

お返事ありがとうございます。アハハ、性別どっちでもいいですよね。でもお気持ち分かります

talisman
talismanさんのコメント
2023年2月6日

レントさん、コメントありがとうございます。いつもブルー系を着ていた彼女が「最後の晩餐」で赤を着ていたのにはぐっときました。長女だけど「お前は息子だ」とパパに言われるところもぐっときました。父親(亡くなった)大好きでわたしも長女なのでぐぐっときました。

talisman