劇場公開日 2022年4月23日

  • 予告編を見る

「【インフルエンザに侵されたかの如く迷走する、現代ロシアを揶揄したかの如き”妄想と現実”が入り乱れたアーティスティックな作品。】」インフル病みのペトロフ家 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0【インフルエンザに侵されたかの如く迷走する、現代ロシアを揶揄したかの如き”妄想と現実”が入り乱れたアーティスティックな作品。】

2022年7月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

ー 2004年のロシア。インフルエンザで朦朧とするペトロフ(セミョール・セルジン)は、混沌としたバスに乗っているが、突然覆面をした男からライフル銃を渡され、覆面の男の仲間と思しき連中と、引き出された来た金持ちや、政治家風の連中に、一斉射撃をする・・。-

◆感想<Caution 内容に触れています。>

・今作は、ストーリー性を求める人には、合わないと思う。

・見せられているシーンが、現実なのか、妄想なのかもハッキリしない。

・ペトロフの妻も、罹患しているのか包丁で、息子の喉を切り裂いたり、働く図書館で大男を殴り倒したり・・。

・画面はモノトーンに切り替わり、ペトロフの旧ソ連時代の少年時代の姿も映し出される。
ー 観ている方は、何が起こっているのだか分からないまま、観賞を続行する。-

・登場人物も、イキナリ全裸になっていたり(で、直ぐに服を着た状態に戻っている。)、時間軸と虚実は更に混迷の度合いを増して行く。

<演出家でもあり、ロシアに一時期自宅軟禁されたキリル・セレブレンニコフ監督の想いが、何となく伝わって来たような、来ないような・・。
 非常に難解な怪作であると思います。>

<2022年7月16日 刈谷日劇にて鑑賞>

NOBU