劇場公開日 2022年12月23日

  • 予告編を見る

「家族を想う男の「不器用さ」」フラッグ・デイ 父を想う日 talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0家族を想う男の「不器用さ」

2024年2月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

苦労に苦労を重ねた末に、ようやくジャーナリストへの途を掴(つか)み、着実にその地歩を固めつつある娘・ジェニファーと、ただ気持ちが空回りするだけで、それが、次々と手をつけてはみるものの、どの事業の成功にも、どうしても結びつかない父・ジョン。
遂には、事業資金に困っての?銀行強盗で服役までする始末。

余計に父は成功を焦ってしまったのだろうと思います。着実に地歩を固めつつある娘の姿に触れてしまったから、なおさらのこと。
出所後は、身の丈に合った小さな印刷会社を経営していると話していた父が、再び三度(みたび)方途を誤ることになった心情を考えると、その生きざまの「不器用さ」に、本当に胸の痛い思いがしました。評論子は。

本作は、レンタルDVDのトレーラーでたまたま見かけて、興味を惹かれて、鑑賞することにした一本でした。
しかし、充二分な佳作であったと思います。

(追記)
免許を取って、クルマの運転ができるようになると、本当に世界が広がりますよね。
行動半径が広がるということは、こんなにも生活が一変することなんだと、実感したことを、まざまざと思い出しました。評論子も。

そして、何か素晴らしいことを子供に伝えられる親というのも、素敵だと思います。

実際、ジェニファーが欲しかったのは(身の丈に合わない?)高級外車ではなかったようですね。
せっかく父娘水入らずでコテージでの週末を企画してくれて、いったんは父を見直しかけたところへ、そのことに気づかない父親に、苛(いら)立ちを隠しきれなかったようにも見受けられました。評論子には。
父親の生きざまの「不器用さ」は、そんなところにも垣間見えたと思います。

talkie