劇場公開日 2022年1月28日

「脇を固める役者がことごとく渋い」前科者 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0脇を固める役者がことごとく渋い

2022年2月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

元受刑者の更生をサポートする保護司。ドラマや映画に出てくる保護司はおじいさんが多い。保護司が無給のボランティアであることや、社会経験豊富な方が引退後に務めることが多いからなんだろう。だから、有村架純演じる阿川さんが保護司であることにものすごく違和感があった。仕事もコンビニのアルバイトだし。そして、何よりその誠実な感じが非現実的に思えてしまう。主人公の保護司を、誠実な若い女性キャラにしたかったのはわかるけど。
でも、フィクションと割り切った後、阿川さんのキャラを徐々に受け入れている自分がいた。元受刑者たちを待ち受けている過酷な現実、彼らの更生に寄り添おうとする彼女の真摯な姿勢がいい。その非現実的なところに不満を感じていたのに。
あと、元受刑者たちが悪そうに見えて実はいい人って設定は、予想はしていたけどとても重要。彼女の誠実さに助けられているんだということがわかるエピソードだ。
有村架純がよかったのはもちろん、それ以上に脇を固める役者たちの人選がことごとく渋いのも評価が上がるところ。石橋静河や若葉竜也なんて、初登場シーンだけでは彼らとわからないくらい。
正直、有村架純を観に来たのだが、嬉しい誤算だった。

kenshuchu