劇場公開日 2021年12月18日

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「画がキレイでした。それだけです。」逆光 東鳩さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0画がキレイでした。それだけです。

2021年12月28日
PCから投稿

アングルがカッコいいとか、画がキレイとか、そういうのにこだわって撮影してるのは分かるけど、この映画にあるのはそれだけなんですよ
登場人物の心情を一切演出できてないし、それを撮れてもいない

主人公が先輩を好きな気持ちも伝わって来ないし、主人公が先輩とアホな女の子の関係を不安に思ってるのも伝わらないし、先輩が主人公を弄んでるのも描けてないし、幼なじみが主人公を好きなのは彼女の演技が上手いから伝わったけど、幼なじみは何を持って先輩の人間性を否定的に捉えたのか、それがどこかも分からない
脚本がそうなってるからストーリーは強引に前に進みますが、次のシーンでも次のシーンでもやっぱり登場人物の心情ではなく景色を優先した画が続いて、30分ぐらいでもうギブアップでした

あと、気になったのは展開が異様に遅いこと
2倍速ぐらいでようやく普通の速さです
だから本来は30分ぐらいのショートフィルムが適正の脚本です

あと、登場人物にタバコを吸わせすぎです
時代設定が昔なのは分かりますが、役者に演技力も無くて監督に演出力も無い映画はとにかく役者にタバコを吸わせがちです
三分の1シーンぐらいでタバコを吸わせてるから、呆れました

タバコにすぐ頼るぐらいだから主演としても演技が全然上手くないし、監督は監督業に手を出す前にまず役者を頑張るべきだと思いました
1番に監督をやりたいなら少なくとも自分の映画には役者として出演するべきではないし、あと渡辺あやさんの脚本や人脈や知名度に頼らないで自分1人の力でやるべきです
誰でも渡辺あやさんの脚本を監督できるわけじゃないから、彼女みたいな実力ある脚本家と関係性を築いたことは素直にすごいと思います
でも、それに頼っていると後で必ず破綻しますよ
多分、この監督さんでは脚本の面白さをスポイルしているはずだから
普段よく仕事してるNHKの監督さんがこの脚本を演出したほうが絶対面白かったはずですからね
脚本本来の面白さを損なう演出しか出来ていないのに渡辺あやさんの知名度に吊られて評価されていたら行き詰まるに決まってます

あ、それと舞台挨拶が予定になかったけど飛び入りで観客に挨拶するヤル気は良いと思います
ですが、一カ所しかない出入り口を塞ぐように立つなよと思います
せめて前から入って壇上で話して、後ろの出入り口は開けておけと
正直、映画を観に来た人たち全員があなたのファンじゃ無いし、次の予定とか帰りを急ぐ人もいます
そういう人たちが監督本人に悪いからみんな帰りずらそうにしていました
観客たちの心情も察することが出来ないで、知らず知らずに帰りたい人たちを帰りづらくさせる同調圧力を掛けてしまうところが、自己中心的で人としてダメダメだなと思いました
他者の心情をおもんばかることが出来ないから、この人は監督していても登場人物の心情を描けないんだと思いました

東鳩