劇場公開日 2022年1月7日

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「☆☆☆★ 原作読了済み。 最近はSNSを始め、テレビ等での政治に関...」決戦は日曜日 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0☆☆☆★ 原作読了済み。 最近はSNSを始め、テレビ等での政治に関...

2024年3月21日
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☆☆☆★

原作読了済み。

最近はSNSを始め、テレビ等での政治に関する情報番組を(コロナ禍と言うのもあるかも知れない)それなりには見ている方だとは思う。
映画でも最近に観た『香川1区』等、考えさせられる作品も多い。
そんな折に読んだ原作がこれ。
読みながら「なんだか薄っぺらいなあ〜!」と思わずにはいられなかった。
何しろ、世間知らずのお嬢様が世襲政治家として選挙に立ち、ワガママし放題で勝手な振る舞いをする…ってお話。
結末はドタバタした挙句に最後に通知書が届く…って内容でした。

映画本編の冒頭場面は、いつかニュース等で当時盛んに報道され、その後に炎上した某大臣(だったっけ?)をパロったかの様な描写から。
この描写は映画オリジナルだった。
ほぼ原作通りには進んで行くのだけれど。ところどころで、この冒頭の場面の様に映画オリジナルの描写がちょこちょこっと挿入されていた。

例えば、選挙事務所内での小さな部屋で交わされる会話でありお金にまつわるやり取り。
有美が抗議に来た団体に向かってコンビニで買った商品を渡す場面等。
小さな部屋での描写は原作には無いし、抗議者には事務所へ入れてコーヒーをご馳走し、その際には500円を徴収する(選挙資金規制法に引っかかるので)

映画だと、世襲政治を利用して割と順調に選挙を戦って行く様に見えるが。この辺りは原作だと有美のワガママ振りに周りが振り回されて混乱する様子が映画よりもかなり強い。
赤いブレザーを常に着ているので《赤い闘士》と呼ばれ。選挙カーを赤に塗り♬サンタが町にやってくる♬を鳴り響かせるのだが…それらの要素を一切捨てたのは何故だったのだろう?
何か問題が有ったのだろうか。

選挙中に知った父親の真実。

ここからの展開は大体原作通りではありましたが。映画の方が、より【右翼系愛国者】に何故だか気に入られてしまう様子が色濃く出ていたと思う。
でも原作には無かった、北の将軍様の御乱心をストーリーに組み込んで、更なる【愛国心】や【国難】を強調するのは。観ていて「嗚呼!成る程!」…と思いつつも、これは(安倍政権時代から続く【長期的な右翼化傾向】に対する)アンチテーゼなのか?それとも単なる右寄りが正しい…と言っているのか?が、全然分からなくなって来た。

観終わって考え込んでしまったのは。この作品を一体どの辺りの年齢層であり、どの様な人を対象として製作しているの?が段々と分からなくなって来てしまったから。

事務所内でのやり取りであり雰囲気がとても良い。窪田・内田・小市・音尾のアンサンブルはとても素晴らしかった。
映画本編の内容は今ひとつと言った感じではあったものの、癖のある脇役達の演技を楽しみながら観るのも一興かと思う。

窪田演じる秘書役の谷村。
宮沢りえ演じる有美。
原作が常に《谷村が有美に、、、》《谷村と有美は、、、》と書かれていて。その都度に読みながら【谷村有美】を思い出してしまい。一体全体、原作者はどんだけ【谷村有美】が好きなんだよ!…と。

2022年1月10日 MOV IX亀有/スクリーン3

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松井の天井直撃ホームラン