劇場公開日 2022年1月7日

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「もっとこういうの観たいんだよ」決戦は日曜日 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5もっとこういうの観たいんだよ

2023年11月24日
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鑑賞方法:VOD

そこそこ政治にも興味があるのでこの作品はメチャクチャ面白かった。笑えた。
洋画、特にアメリカ映画だと政治系のコメディはそこそこある。しかし邦画だと極端に少なくなるので、貴重さという意味でも満足できるものだった。
なんで邦画だと政治系映画がないかというと、観る側に興味がないからだ。
いくつかのレビューを読むと、日本の政治はヤバいとか政治家はヤバいとか書かれているけれど、政治系の作品で最終的に笑われているのは、ヤバい政治家を当選させちまう有権者なんだ。私たちだ。一種の自虐だ。それも分からないくらい政治に興味がないから作品が作られない。
本当に憂うべきは政治や政治家のヤバさなんかじゃなく政治に興味のない人たちだ。
選挙とはクソの中からましなクソを選ぶものだとチャーチルは言った。悲しいことに大体合ってると思う。
そのましなクソさえ選ぼうとしないから酷いクソが当選しちまうんだよ。

二世議員を演じた宮沢りえは良かったね。コメディだから演技はわざとらしくていいんだけど、後半の役が演技し始めるところのわざとらしさは最高に笑えた。
間が外れてポンコツ感が溢れてるところがいい。コメディエンヌとして才能あるんじゃないか。シリアスじゃない宮沢りえをもっと見たいかもと思った。

落選したいはずが当選してしまった二世議員。
そこが笑いのピーク(そんな人を当選させてしまう自虐)だから当選するだろうと思っていたけれど、結果として議員になってしまったのだから彼女たちが考える理想の政治の実現に小さな一歩を踏み出せたといえるんじゃないか。
ちょっとだけいい感じに皮肉を込めて着地させたところもうまい脚本だなと思う。
実際は何も出来ないだろうが、希望は残った。みたいな。当選した当人たちはガックリしてたけどね。

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つとみ