「紙一重の善悪」仕掛人・藤枝梅安 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
紙一重の善悪
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"仕掛人・藤枝梅安" 二部作第1部。
池波正太郎生誕100年企画作品。
時代劇専門チャンネル開局25周年記念作品。
原作シリーズは未読、
過去の映像作品はいくつか視聴済みです。
映画らしい重厚な映像と多彩な演技陣によって、「仕掛人・藤枝梅安」の世界観が令和に新生。因果を巡る人間ドラマと華麗な仕掛けの技に魅せられ、匂い立つ様に発散される色気に酔いしれる、極上のハードボイルド時代劇でした。
藤枝梅安と云えば、男の色気と仕掛けの身のこなしが魅力的ですが、本作で梅安を演じる豊川悦司はそれらを十二分に体現し、歴代の梅安役に負けず劣らず、素晴らしい演技でした。
仕掛人の掟と善悪の紙一重な境界に想いを巡らせながら、許せぬ悪を始末するべく動く梅安と相棒の彦次郎。因果は巡る糸車、残酷な運命の結末に胸がぎゅっと締めつけられました。
第2部へのブリッジもお見事。
[余談]
天海祐希の悪女演技が素晴らしい。死の刹那、全てを悟った表情になんとも言えない悲哀があり、印象に残りました。
[追記(2023/02/10)]
池波作品の魅力のひとつとして、食の描写があります。本作もそれをしっかり描いていて、どれもみんな美味しそう。
「こりゃうめぇや」と舌鼓を打つ彦次郎の表情と口調は最高の食リポ。観ていてめちゃくちゃお腹が空きました。
素朴だけど、シンプルがいちばん美味いんだよなぁ…
[以降の鑑賞記録]
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