劇場公開日 2021年6月18日

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「強欲なんてレベルじゃない」グリード ファストファッション帝国の真実 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5強欲なんてレベルじゃない

2023年11月29日
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鑑賞方法:VOD

実在の人物をモデルにしているが、内容はかなり脚色されている。特にラストは完全な創作である。
多くの人が東南アジアなどでの低賃金労働について書いているが、「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」と同じように起業家を見る作品だ。そして「ファウンダー〜」の主人公と同じように本作の主人公マクリディ卿はサイコパスである。

サイコパスと聞くと連続殺人鬼などを想像するかもしれないが、実際は数十人に一人はサイコパスであるらしい。学校のクラクに一人か二人はいたということになる。サイコパスだからといって全員が人を殺めるわけではない。それどころか会社経営者などにサイコパスは多いという。

サイコパスの一つの特徴として自分の欲望に忠実だというのがある。言い換えるならば自分以外の人やものに対し敬意を持ったり尊重したりしない自己中心的なのだ。
つまり、自分の望みのために誰かが死ぬことになっても、そんなこと知らん。という具合だ。

マクリディ卿はサイコパスなので、事業に邁進するあまり回りが見えなくなったのではない。最初から見てなどいない。
そのあまりに自分本位な行いは本人の気づかないところでギシギシと軋み、ふとしたきっかけで決壊し悲劇を生む。
しかし本当に悲劇だったのだろうか。主人公はマクリディ卿だが、誰の視点で観るかによって感情は違ってくるように思う。悲劇はもっと前に起きていたのかもしれない。

時間軸をイジり娯楽性を生み出そうとしているところは好感が持てるが、実際、面白くなったかというとそうでもない。
物語が複雑化して何の話なのか分からなくなり、焦点が定まらない。
しきりに話す「グラディエーター」から察するに始めからずっと復讐の物語だったのかもしれないが、それにしては少々尾ヒレがデカすぎる。

副題になっているファストファッション帝国の真実に目を向けても、ファッションに疎い自分は知らないブランドであったし、作中でZARAかどっかを倒すとか言っていたけれど、昨年か一昨年にアパレル業界の世界売上げトップがユニクロになってしまったのでイマイチ盛り上がらなかったかな。この辺も超有名なマクドナルドを扱った「ファウンダー〜」とは違った。
まあ作品は面白かったんだけど。

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つとみ