劇場公開日 2022年10月14日

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「悲劇のプリンセスの実像に迫った映画」スペンサー ダイアナの決意 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5悲劇のプリンセスの実像に迫った映画

2023年6月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

実際の悲劇に基づく寓話との、但し書きがありますが、
かなり実像に近く感じました。

亡きダイアナ元王妃の離婚の間近の3日間。
1991年のクリスマスに焦点を当てた映画ですが、
クリステン・スチュワートの
迫真の名演技により非常に優れた作品だと思いました。

連なる軍用トラックの車列。鉄材の幾つものケース。
物々しく運ばれるそれらはクリスマスの休日を過ごす王族たちの
食糧でした。

この重装備や重圧を窺わせるシーン。
ダイアナは常に感じていたのでしょう。
ダイアナが主に会話を交わすのは、お世話係のメイド。
ダイアナに好意的なシェフ。
お目付け係のグレゴリー少佐(ティモシー・スポール)。
ダイアナが友達のように慕うメイドのマギー(サリー・ホーキンス)。

離婚間近のダイアナは精神が非常に不安定で、不貞などの罪で
夫のヘンリー8世に処刑されたアン・ブーリンと自分を
重ね合わせてしまいます。

不安神経症、適応障害、過食と拒食の摂食障害。
その内面は美しい外面とは想像が付かないほど荒廃しています。

食事時間に必ず遅れる。
(30分も待たされたら誰だって怒り心頭・・・)
(お騒がせのプリンセスは孤立無援です)
子供たち(ウィリアムとヘンリー)にまで、
「マミーがまた怒られるよ」と
本来なら守るべき役目の母親が、8歳のウィリアムに心配される。
不甲斐ないマミー。
カメラはダイアナの幻覚や心の中を描写していきます。
愛人カミラさんと同じパールのネックレスを貰ったトラウマから、
ディナーのグリーンスープに引きちぎったパールが飛び散り、
それを飲み込むダイアナ。
便器に顔を突っ込み嘔吐して鼻水を垂らし口を拭う。
クリステン・スチュワートはそのシーンを美しく演じるのです。
嘔吐シーンまで美しく映るクリステン・スチュワート。
(ゲボの音声は赤裸々でしたが・・・)
次のシーンではネックレスは見事に復元している。

音楽が秀逸で場面場面のダイアナの内面を活写して見事ですし、
ダイアナがクルクルと衣装を変えるシーンも、
大袈裟に盛り上げることない音楽が寄り添うのです。
幼い日々を過ごした実家のスペンサー邸。
特別な思い入れのある場所。
レースの凝りに凝った豪華なイブニング・ドレスに、
父親の赤いコートを羽織り真夜中に訪れるダイアナ。
階段の朽ち果てた屋敷。
(ダイアナの内面もまた朽ちていたのかもしれない)

イギリス国民に、全世界の人々に愛されたダイアナ・スペンサー。
マスコミの犠牲者のようなその生涯。
輝きを失うことなく人々の心に今も生きる。

かなりダイアナの実像に迫った映画だと実感しました。

琥珀糖
満塁本塁打さんのコメント
2023年6月28日

こちらこそです♪。ビックボスは 年齢いってる割に、わかりやすく単純で目立ちたがり、青臭い。ただその分、表裏の陰湿はないと思うので、私的にはセーフです。どうでもイイですけど万波ホームラン王取ったら清宮のメンタル的に、交換トレードで河岸を変えてあげる方が、日ハムのため、清宮のため、win-winだと思います。さすがにショック大だと思うので。人間周囲の雰囲気で、変わりますから。ありがとうございました😊

満塁本塁打
満塁本塁打さんのコメント
2023年6月27日

万波イイですねぇ、清宮結局大学行ってた方が良かった。斎藤佑樹と反対。日ハムでは無理くさいですね。

満塁本塁打
満塁本塁打さんのコメント
2023年6月27日

ダイアナさんも他の早逝したスターも輝くべき時に輝き、それが 定め のように去っていきました。おばあちゃんのダイアナさんは想像できませんし想像したくないです。悲しい定め ですが同時に 美しい定め でした。 ちなみに 定め という言葉、鴻上尚史さん劇作家の著作からのパクリです。🙇不条理、突然の事件事故を受け止める際の、お坊さんの説法だそうです。それは定めだった。と使うみたいです。冗長ですみません 失礼します。

満塁本塁打