劇場公開日 2022年10月14日

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「彼女の人生の苦悩を上手く切り取っている。」スペンサー ダイアナの決意 Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5彼女の人生の苦悩を上手く切り取っている。

2022年11月7日
iPhoneアプリから投稿

着る服も自由に選べない着せ替え人形のような存在にされ、圧倒的な歴史と伝統に潰されそうになりながらも、自らの尊厳をかけて抵抗した人の壊れそうな、でも水々しい息吹を感じるドラマだった。最初は小さな抵抗や拒否だったのが、時代遅れの行事にノーを突きつけるさまは痛々しくも爽快である。チャールズを演じる俳優の人選はどんな映画でも手こずると思うが、この映画は押し出しが弱過ぎだろうと思った。ただ、ああいうプレゼントは王室だろうが平民だろうが同情されないし、ダイアナが苦しんでいるのに、自分には甘い彼に誰も同情できない。その彼がついに王になったのも感慨深い。それにしても、建物も小道具も本物を使えるわけでもなかろうに、よく似せてそれらしく見せる王室もの映画にいつも感心する。

Boncompagno da Tacaoca