劇場公開日 2021年7月30日

  • 予告編を見る

「あまりにも過酷な、あまりにも崇高な」アウシュヴィッツ・レポート くーにー62さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0あまりにも過酷な、あまりにも崇高な

2021年10月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

皆さんのレビューの通り、ナチの蛮行を告発するのみならず、そもそもの差別意識、不寛容、偏見をこそ撃つべしというエンドロールに込められた制作者のメッセージを重く受け止めた。今そこにあるアウシュビッツに目を向けよと。知らなかったという言い訳に、ドイツ人は恐らく、未来永劫苛まれるだろう。翻って日本人はどうか。中国への侵略に端を発する戦争で、多くの近隣諸国に与えた鬼畜の狼藉に、少なくともドイツ人ほどの良心の呵責を感じているだろうか。罪の意識があるだろうか。
あまりにも過酷な現実を前に、なすすべなく傍観するほかなかった。その言い訳は、やはり同罪なのだろう。例えばアフガニスタンの、ジェット機にしがみついて振り落とされた人々を嘲笑する心根に通底するのだろう。あらゆる影に潜み、終生呪い続ける側に立つことを改めて胸に刻んだ、崇高な物語であった。

くーにー62
Bacchusさんのコメント
2021年10月14日

観賞したのが結構前なのでおそらくですが、それ(レビュータイトル)について論じていたのが印象にあったからつけたのだと思います。
正直、エンドロールにインパクトがあったなあという印象しか残っていません。

Bacchus