劇場公開日 2021年7月30日

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「圧倒的映像力。ただの史実映画ではない。」アウシュヴィッツ・レポート tackさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0圧倒的映像力。ただの史実映画ではない。

2021年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

現代になってもホロコースト映画は絶えることなく、毎年のように公開されるが、
今作もまた新たな事実を知ることになった貴重な映画だった。
アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所に収容されたユダヤ系スロバキア人が、ナチスによるガス室での虐殺を伝えるため脱走する姿を描いた今作。2時間弱の作品は独特の緊迫感を醸し出している。

まず映像力の強さ。少し低めの位置から回すカメラワークは独特で、収容者からの視点を表現している。相手の顔がはっきり見えない影の作り方や呼吸の音なども、収容者の恐怖感を表現している。

またこの映画は、ナチスによる残虐さをただ伝えるだけでなく、こういったナチスのような思想から何を学ぶのか、また現代において何を学んでないかまでも考えさせる映画構成になっているので、
冒頭の一文、そしてエンドロールまで見逃せない作品になっている。

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じーたら