劇場公開日 2021年1月15日

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「マイノリティーは生きづらいだけ 覚悟さえあれば自由です」恋する遊園地 nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0マイノリティーは生きづらいだけ 覚悟さえあれば自由です

2022年1月14日
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鑑賞方法:映画館

息を吹きかけて物をふくくらいは許せるけど、唾つけて物ふくのはやめて欲しいな
きったねぇ
あんな事する人、久しぶりに見た
冒頭から気分悪う

監督のゾーイ・ウィットックは、エッフェル塔と恋に落ち、実際に結婚したアメリカ人女性の新聞記事を読み、そこから本作の着想を得たという

スターウォーズのランド・カルリジアンは女性アンドロイドを愛していたし
探偵ナイトスクープではマネキンを愛する女性が話題になった事がありました
このあたりは思考が人間だったり、造形が男性だったりするので理解できる

しかしエッフェル塔や遊具となると、さすがに理解の範疇を超えてしまいます
最近のナイトスクープでは信号機に恋する女性もいましたねえ

対物性愛(オブジェクト・セクシャリティ)といって建物などの“物”に心や温かみを感じて愛情を抱き、性的に惹きつけられるとか

監督は理解してこの作品を作ったとは思えない
性的に惹きつけられるというセンセーショナルな部分で観客を引きつけようとしている
遊具の潤滑オイルを使ったエロいシーンの妄想って世俗的ですよね
エッフェル塔と結婚した女性と実際に会って真剣に語り合ったとは思えない
意味無く裸のシーンも多かった
自分の価値観で分かったつもりになっただけですよ
いろんな意味で残念な映画です

ナイトスクープでマネキンを愛した女性はその後、結婚してマネキンに見向きもしなくなったそうな

ヒロインにもそのチャンスはありました
言い寄ってくる男性との初体験
この時に男性が愛のあるセックスをしていれば変わったかもしれない
行為そのものより、ちゃんとハグしてあげる方が愛を感じるものです

もちろんシナリオありきで遊具への愛に走るためのシーンですが、あまりに酷いと思いました

一応、ことわっておきますが
彼女が男性と交際する方がよくて、遊具を愛する事が悪いといっているわけではありません
ただ、マイノリティーは生きづらい
男性を愛せれば、その方が楽だろうと思うだけです
左利きを右利きに治すくらいの気持ちです

高橋一生と岸井ゆきのの”恋せぬふたり”というドラマが始まりました
愛に対するマイノリティーのドキュメンタリーで少し紹介されていた、アロマンティック・アセクシャルの話です

nakaji