劇場公開日 2021年3月20日

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「我々がやらなければならないこと」生きろ 島田叡 戦中最後の沖縄県知事 sassofonoさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0我々がやらなければならないこと

2021年9月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

以前「10万人を超す命を救った沖縄県知事・島田叡」の本を読んで、是非この映画を見たいと思い、先日映画を見た。
彼の周りにいた人たちのインタービューや彼の行動の軌跡から、本を読んだ時よりもリアルに彼の考えや苦悩を感じ取ることができた。
こんなに住民のためと思い、身を粉にして命がけで生きた政治家がいただろうか。
部下や住民を鼓舞する一方で、心の中では死を覚悟して、壕を転々としていたかと思うと胸が痛む。
鉄の暴風の中、「何が何でも生き抜くんだ」と言って、みんなを救った言葉は重い。
証言している人たちは、その言葉を理解するには数十年という歳月がかかった、と言っていたが、島田には数十年後の日本の復興した将来が見えていて、その卓越した見通す力があったにもかかわらず、責任をとって亡くなってしまったのは、本当に悲しいことである。
この映画を見て、単なる戦争反対論者になるのではなく、なぜあの戦争が起きたのかという歴史的背景を自ら調べ学び考えることが大事だと思う。
今の日本人は、自分が生きている間、自分さえよければいい、という自己中心的な人が多くなってしまったことは、とても残念なことである。
島田のように、これから数十年先、数百年先の日本をどうしていかなければならないか、そのために自分は何をしなければならないのか、自ら考え行動する必要があると思う。
それが島田から今の日本人に対するメッセージだと思う。

sassofono