ある用務員のレビュー・感想・評価
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目指すはダイハードなのかタランティーノ作品なのか・・・
若手監督作品を観るときには、いつも温かい目で見ることにしていますが、この阪元監督はかなり有望。まずは映画の面白さを知っている人だなぁ~と感じた。はっきり言って北野武のアウトレイジシリーズよりも面白い。ヤクザや刺客などの格闘シーンはは三池崇やタランティーノ風味で、忠義心に溢れすぎたバカで可哀そうな主人公を描いた作品だった。
基本は暴力団の抗争や復讐を描いていたが、教師を屁とも思っていない暴力高校生や主人公の“暗殺者”としての一面も皮肉を込めていたような気がします。組長が殺されるときにも復讐悲劇というべき重厚さもあり、彼が復讐すべきに値する男と認めていたところにニクいやりとりを感じてしまう。
そんなこんなで、組長の跡目争いと、遺産を確保するために主人公=用務員・深見と娘・唯が狙われることになるのですが、唯の幼なじみの男の存在や6人の殺し屋と飛び入り殺人鬼、校内から出さないためだけに雇ったスナイパー源さん(渡辺哲)という布陣に生き残れるか!?といった怒涛のクライマックスを迎えるのだ。
まぁ、任侠っぽいところもあれば、おバカなキャラも多数登場。しかも隠し子の本田が前野朋哉というキャスティングであり、笑っていいものかどうかと迷っていたら徐々に怖さを発揮していくのです。
驚いたことに福士誠治は映画初主演だという。NHK朝ドラ『純情きらり』で注目していたのに、そこからは主演らしき作品がなかったのですね。また、ヒロイン芋生悠は可愛いんだけど、歳をとったら大久保佳代子になってしまいそうな予感が・・・とにかく、入場者特典でパンフレットを貰ったことで加点。
主人公の置いてきぼり感
役者の方々の演技力アッパレだったし
アングルのアップ頼りと時より無意味なヨレ?以外と
アクションシーンは程よい感じで、これからの監督さんだとは思った。
ただ、戦いにいたるまでの展開…主人公と娘の巻き込まれ方が酷い。
暗殺者として育ったにしては途中から感情出すとしても、描写が周りより少ないせいか軸がブレてるように見えるし、娘を守る理由は無理矢理だし理解し難い。
いっそ周りとは関係なく、シンプルに極秘任務くらいにしたら主人公のカッコ良さがもっと光ったかもしれない。
令和感としてヤクザをライトにするのは分かるが、重要なシーンでもギャグっぽくなって悪目立ちしてた。話が浅く感じてしまうのが勿体なかった。全体的にバランスが悪く何を伝えたいのか分からなかった。
随所に魅力が光る力作
若手監督が、大好きなアクションを前面に押し出した力作という印象。
荒削りと捉える観客もいるだろうけれど、私は随所に魅力を感じました。特に女子高生の殺し屋コンビは動きにキレがあり、とても素敵。
平凡な一般人に扮した(?)本田も演技にゾクゾクしました。
この監督の次回作があれば是非、そちらも見てみたいです。
うーーーん、足りないなぁ。
あーぁ、面白くなりそうなのになぁ。残念な作品でした。
題材はおもしろいです、面白くなりそうです。ストーリーも悪くないです。設定も。
主人公のジレンマ満載の殺人マシーン、歪な人生満載、変な家庭環境満載、パワーゲーム満載、バイオレンス上等、、、、、、なのに、これだけ駒が揃っているのに。。。。振り切ってないんだよなぁ。
主人公のキャラ設定が・・・いまいちなのかなぁ?
動機が見えているようで表面的というか・・・。もっともっと葛藤するべき人生歩んでいるはずなんだけど、妙な行き当たりばったりで格好つける人にしか見えないんだよな。
「ダークヒーロー気取ってます」みたいな感じなんだよなぁ。
わかりやすくしても良かったような気がします。
それと、残念ながら刺客軍団が妙にしょぼい(笑)
もっともっと殺人ゲームっぽい雰囲気とスピード感が欲しかったなぁ。
カタルシスがないんですよね。戦いの。
唯一、本作の見ものは前野さん演じる「本田」です。
これは良いです!「これこれー!」って感じです。
この無慈悲かつ無敵な感じ。いーじゃないですか!彼の生い立ちとこれまでの人生を考えるとそれだけでもドラマになりそうです。良かった!
が故に・・・残念。振り切ってないのです。
繰り返しますが、主人公の生い立ち、その上で置かれている現状、そして葛藤、当時主要登場人物も同じくとても面白い設定なのです。
それらを作品として昇華できなかったのは残念です。
頬をつねる
シャブ中はしっかり頭を狙わないと。
そうなんだ、知らなかった…。
しがない用務員に扮する暗殺者、哀愁溢れる運命。
もう設定だけで垂涎三尺なのよ。
そもそも殺し屋が好きでヤクザが好きなのよ。
世を忍ぶ仮の姿が生徒に舐められがちな「用務員」というのも良い。廊下掃除しかしてなかったけれど。
育ての父親の所業と恩、守るべき人の存在に翻弄されて常に複雑な想いを抱える深見に終始興奮できる。
治外法権と化した校内、個性豊かな殺し屋たちによる入り乱れた殺し合いがとにかく最高。
みんなおちゃらけて見えても命の奪い合いにはすごく真剣で本気で、深見がどんどん負傷していく様にキュンとしてしまう。
ストーリーは至ってシンプル。
ただ、色々な人のバックボーンがサラッとした説明セリフにまとめられることが多く、感情移入はしづらかった。
真島グループの陰の部分を支えてきたであろう深みの、アサシンとしての活躍や子供の頃からの英才訓練の様子をもっと観たいところ。
深見と唯に的を絞ったところも観たいし、ここはぜひスピンオフを、と言いたくなる。
大物キャストがシレッと脇に出てくる驚き。
般若扮するヤクザのキレッキレ加減が好き。
細かいところでふと笑える抜け感も好き。村野の「ええ〜〜〜!?」がシリアスな中ですごく面白かった。いやほんと理不尽よな〜!!
それにしてもいいなあ殺し屋は。幼い頃からバチバチに仕込まれた敏腕殺し屋になりたい。ずっと持ってる夢だけどこれだけは叶いそうにないね。
確認しないプロ
殺された父親の兄弟分のヤクザに育てられた殺し屋と、その育ての親との因縁と約束のお話。
香港に勢力を移そうと考える育ての親に反発するチンピラ風ヤクザの企てで巻き起こって行くストーリー。
弱い犬程なんちゃらかんちゃら、案の定の展開から、義父の愛娘が狙われることになるけれど、結局のところみせたいのは哀しさか?漢っぽさか?…???
一応主人公は義理堅い凄腕の殺し屋ですよね?真偽の程が定かじゃない父親と義父のことを聞かされて、最初にヤルのは目の前のヤツじゃないのか?と違和感バリバリ。
そして早い者勝ち軍団のチャラさとショボさが鼻につく。
娘の命が狙われてってあらすじに書かれているけれど、命は狙われてないし、用務員と言いつつ清掃しかしてないし、見張っているのも学校内だけだし。もっともっと面白くなりそうなプロットなのにね。
ノワールならノワールで、ハードボイルドならハードボイルドでちゃんとやって頂きたかった。
中盤からのアクションはそれなり
暴力団の親分に息子同然で育てられた男が親分の娘を守るため、高校に乗り込んでくる殺し屋たちと戦うアクション映画。
娘を監視するために男を高校の用務員にするか?とか、用務員になってもそれほど監視できないとか、殺し屋として育てられたエピソードがまったくないとか最初の設定がちょっと粗い。しかも、親同然で育ててくれたボスの寝首をかこうとしたヤクザの演技が少しひどくて、セリフも聞き取りづらい(後で調べたらラッパーの般若だった。本業じゃないなら仕方ないが)。
ただ、殺し屋が高校に集まってきてからはストーリーとか演技よりもアクションを楽しむだけだったのでマイナス面はあまり目立たなくなった。9人(親分の息子を入れると10人)の殺し屋のキャラも漫画チックでなかなかいい。前野朋哉演じる親分の息子も牧歌的なのにイカれてる感じが面白かった。
話や登場人物の粗さはもちろんあるが、期待値が低かったのでそれなりに楽しめた。
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