劇場公開日 2021年5月14日

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「小泉@一郎元@理が妖魔に取りつかれていた事がよく理解できた。」美しき誘惑 現代の「画皮」 YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0小泉@一郎元@理が妖魔に取りつかれていた事がよく理解できた。

2021年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画が始まって、まず最初に”効果音の違和感”が気に成った。
息を吐く音や、細かな音が必要以上に大きく、その音に「意味がある」かと思ったが
どうやら、バランス調整が悪かっただけのようだ。

制作が宗教家なので、宗教映画に成らないように気を使っているのが良く判る。
例えば、結婚式がカトリック式なのだが、優秀な政治家は自分の宗教とは別に
「信仰と宗教は別である」事を表現するために、結婚式こそ「神道式結婚式」を行うのが常だが
映画的演出の為にも、海外にも見せる必要性からも、カトリック式になるのは仕方がない。
女優さんも「仏様」「観音様」ではなく、「神様」と言葉を発する。

コネだけで出てくる役者がいる筈だと思って観ていたが、どの役者もそこそこの演技をしていたが
主演(助演)の女優さんをもう少し存在感と知名度がある女優さんを雇用すべきだった。
また期待していたセクシーシーンが「なし」ではなく、せめてソフトなシーンを複数回いれてほしかった。
2人の距離感を映画の中で表現する事が欠けていたのは大きな失点。
名前を呼び捨てに変化させるだけでは、演出に無理がある。

女優さんを前半では主人公的に進行させるが、後半からは、若き政治家が主人公に自然な形で変わっていくシナリオは面白いつくりであるが
最後まで女優さんにどこか肩入れして観てしまった。

制作者の言いたいことがセリフではなく、歌に込められている事は素晴らしい事だと思うが、
そんな歌が複数回別に登場する。しかしその度に、歌に聞き入ってしまうので、
娯楽映画としては劇中は歌詞なしの曲だけにして
エンドロールでのみ歌詞入りの1曲にまとめた方が良かった。

この映画を観たら、小泉八雲さん原作の映画を観たくなった。
最近では題名が浮かんでこないが。。。
女優さんの立ち位置を考えると「黒革の手帳」と観比べてみるのも良いでしょう。

YAS!