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トゥルーノース : 特集

2021年5月24日更新

今年屈指の「先入観でスルーせず観てよかった」映画!
一流映画監督らが絶賛!“これ”が新しいアニメの使い方

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「ちょっと重そうだな…」。そんな第一印象でつい敬遠してしまいそうな映画である。実際、筆者も鑑賞前はそんな印象を抱いていたが、映画を見終えて、真っ先に浮かんできたのは「あぁ、先入観でスルーしないで観てよかった」「素晴らしい映画との出会いを危うく逃すところだった!」という思いだった。

日本発の一本のアニメーション作品が、映画界を騒然とさせている。世界各国の映画祭で称賛を浴び、名だたる映画監督や著名人たちが驚愕と絶賛のコメントを寄せている。

映画の名は「トゥルーノース」。北朝鮮の政治犯強制収容所に生きる家族の姿を3Dアニメーションで描いている。「北朝鮮」「強制収容所」。そんな政治的なワードやビジュアルの印象で「ちょっとやめとこうかな…」とこの映画をウォッチリストから外してしまおうとしているあなたに伝えたい! 質の高い感動の物語を求める人々こそいま、この映画を見るべきだということを。


【予告編】世界で最も過酷な場所で希望を捨てずに生きる“家族”のドラマ

滝藤賢一、武正晴、熊切和嘉ら映画のプロたちが絶賛!
海外映画祭が“発掘”した邦画が業界をざわつかせている

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俳優・滝藤賢一

ずば抜けた映画だ。この理不尽極まりない地獄から 人間がいかに神秘的な生物か 浮き彫りにしてくる。人間は素晴らしいよ!


武正晴(「全裸監督」「百円の恋」監督)

誤った国家による被害者が加害者となっていく描写に身震いした。少年少女達の収容所での成長譚に救われた。映画とは人を救うために創られることを再認識した。清水ハン栄治監督の偉業は余りにも尊い。どうかお子さんを連れて劇場に家族で観にきて頂きたい。


熊切和嘉(「私の男」「海炭市叙景」監督)

苛烈の隙間に見えた満天の星空と、壁に貼られた花びらの鮮やかさ。自分がいかに大切なことから目を逸らして生きているかを思い知らされた。


豊島圭介(「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」監督)

監督は北朝鮮の強制収容所にいる12万人を本気で救おうとしている。真実を伝え、人々を動かそうとしている。そのために彼が選んだのは「超一流のエンターテイメントを作る」という方法だった。心を揺さぶられまくりました。

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・アヌシー国際アニメーション映画祭をはじめ、各国の映画祭が絶賛! “逆輸入”され日本で配給権の争奪戦が勃発

あのレオナルド・ディカプリオも絶賛したドキュメンタリー「happy しあわせを探すあなたへ」のプロデューサーを務めた清水ハン栄治が、強制収容所への収容体験を持つ脱北者や元看守などにインタビューを行い、10年の歳月をかけて作り上げた本作。世界最大規模のアニメーション映画の祭典・アヌシー国際アニメーション映画祭で大きな話題を呼び、ワルシャワ国際映画祭・フリースピリット部門の審査員特別賞、プチョン国際アニメーション映画祭の特別賞を受賞するなど、まずは海外で“発掘”され、逆輸入される形で日本へ。そのセンセーショナルな物語が注目を集め、日本国内でも映画配給権を巡り争奪戦が勃発した。


【鑑賞前】北朝鮮の“真実”が、なぜ3Dアニメーション?
【鑑賞後レビュー】ヤバい、泣く…“そういうこと”か!

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業界内の前評判の高さはわかった。で、実際のところどんな作品なのか? 映画.com編集部員が鑑賞してみた。「正直、仕事じゃなかったらわざわざ見ないな…」というのが鑑賞前の偽らざる心境だったが……。


・舞台は北朝鮮の強制収容所、重そう→違う、これは希望を持って生きる家族の物語!

北朝鮮で平和に暮らしていた主人公の一家。だが父親が政治犯として逮捕されたことで、母、そして幼いヨハンとミヒの兄妹も強制収容所に連行される。極寒の地、強制労働、密告、公開処刑…。収容所での暮らしは凄惨を極めるが…。

舞台が北朝鮮の強制収容所と聞いただけで、苛烈な描写が容易に想像できる。「正直、そんな重たい物語はいま、見たくないなぁ…」――そんな思いで鑑賞してみると、予想とは全く異なる“手触り”と温もりに満ちた物語に驚かされた。

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物語は実際の脱北者や収容所の看守の証言を元に構築されており、過酷な北朝鮮の現実が描き出され、その描写に心が揺さぶられるのは確かだが、とはいえ本作は政治的メッセージばかりを前面に押し出したプロパガンダ映画でもなければ、ただ暗いだけの物語でもない。過酷な現実に直面して、なおも“希望”を捨てずに生きる家族の物語であり、自由を求めて戦う主人公を描くエンタテインメントである。

やがて訪れる母との別れ。母は死の直前にヨハンに言う。「誰が正しいとか間違っているということではなく、誰になりたいかを自分に問いなさい」――。

家族への思い、生きる上での決断…。ここで描かれるのは遠い現実ではなく、まさに明日をも知れぬ混迷の時代を生きる私たちの物語である!

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●ハイスペックとは言えない3Dアニメ…これ予算不足? →いえ、わざとでした! 本作は「アニメの新しい使い方」を提示した作品!

予告編を見てもわかるが、登場人物たちのアニメーションによる描写は、実写と見間違えるような、最新のなめらかなアニメーションではなく、一見、ひと昔前の技術のような、折り紙のように表面がカクカクとした表現が用いられている。最初に登場人物たちを見たときは「これは予算不足のせいなのか? それとも技術的な問題なのか?」と訝しんだが、実はこれは監督が緻密に考え抜いた上で採用した表現方法。

というのも、リアルに近すぎる表現では、収容所の過酷な現実を描くシーンがあまりにも残酷に映ってしまうため。その一方で、夜空や草花、風景などの描写は緻密で非常に詩的な表現となっており、インドネシアのアニメーションスタッフの技術の高さがひと目でわかる。いわば、物語、作品の持つメッセージに合わせて、リアルとフィクションのギリギリのバランスを追及した「アニメの新たな使い方」をした映画となっているのだ。

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●サントラ(発売中)もかなり素晴らしい →調べてみたら音楽監督はディズニーアニメ「ムーラン」のマシュー・ワイルダーだった!

物語の持つ圧倒的なパワー、そしてアニメーションに意識が行きがちだが、随所で音楽が映画を引き立てている。実は、音楽監督を務めているのは、ディズニー長編アニメ「ムーラン」のマシュー・ワイルダー。グラミー&アカデミー賞ノミネートの経験を持つ大御所が、監督の思いに応え、繊細かつ力強い音楽でドラマを輝かせている。

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●自由への逃避行の結末は…? →ラストに訪れる衝撃&カタルシス「そういうことだったのか!」

最後にもう一度、繰り返し言う。これは政治的メッセージを伝えるためのプロパガンダ映画でもなく、単なる感動の物語でもない。“衝撃”の物語である。

映画は“現代”のパートで幕を開ける。ひとりの男性が観客の大きな拍手に迎えられ、スポットライトが降り注ぐステージに立ち、自らが経験したことについて語りはじめる。彼は言う「政治の話はしません。これは私の家族の物語です」と。

そこから約1時間半の物語が展開するが、最後にもうひとつ「そういうことだったのか!」という“衝撃“が待っている。

自戒を込めて言う。映画を見るにあたって先入観は禁物だ。危うく傑作を見逃すところだった…。

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