劇場公開日 2021年2月26日

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「前作を遥かに凌ぐ手作り感がスゴイ!デタラメにも程がある愛すべきバカSF」スカイライン 逆襲 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0前作を遥かに凌ぐ手作り感がスゴイ!デタラメにも程がある愛すべきバカSF

2020年11月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

東京国際映画祭での鑑賞。本編上映に先立ってまずは監督リアム・オドネルのビデオコメント。前作から何もかもスケールアップしているが一番成長したのはこのオレだと自己愛溢れるオレオレ宣言。続いては主人公ローズを演じたリンゼイ・モーガン。いやいやまだ始まってないんだけど!とツッコミたくなるネタバレを臆面もなく開陳するキュートさにクラクラきました。そしてコメントのトリは・・・ウソやろ!?「オファーをもらった時にはオレが出ちゃっていいのかな?と驚いたけど、大丈夫だっていうから出ました」・・・大丈夫なんか!とツッコまざるを得ないそこにいること自体がそのものがネタバレという映像。いやいや何や知らんけど期待値はハネ上がりました。

そして本編は前作のエンディングからスタート・・・ですがもうリンゼイちゃんがネタ割ってる通りに盛大な卓袱台返し。これで前作観終わった後に期待してた展開はキレイに消えてなくなりました。いやいやそれは普通映画一本使ってやるやつでしょ・・・これはある意味斬新。ということで以降は実質4作目。ということでところでお前は一体誰やねん!?みたいなキャラが現れては盛大に暴れるカーニバル状態。前作で大活躍したグロいルックスの着ぐるみエイリアンの皆様が何か色々麻痺してきてめっちゃキュートに見えてくる辺りは『エイリアン コヴェナント』っぽかったりするんですがそこはB級なので高級感は皆無。逆に前作よりも手作り感が増していて、もうそれは『コブラ』やん!?みたいな昭和の少年ジャンプテイストが漲っていますし、テロップで"ロンドン"と出るけどロンドン感がカケラもないテント村やったりして低予算を隠しもしないデタラメぶりも爽快。後は異星人侵略モノであることを忘れるくらいたっぷりとマーシャルアーツの格闘がてんこ盛りで、前作並みにデッカイ風呂敷を広げるエンディングの後に流れるオマケも含めてアジアンテイストで締め・・・何やねん、この無国籍感は!確かにこれは前作よりも格段にスケールアップしたバカSFです。

そしてお祭りの余韻を噛み締めながら眺めていたエンドロールを埋め尽くすあんまり見たことない綴りの名前はこれリトアニアの皆さんなんでしょうね。ブルガリアやハンガリーに続いてこの国もまたこれからのB級映画を盛り上げてくれるんやろなあとニヤニヤしてしまいました。まあ真面目な映画ファンは怒るかも知れないタイプのふざけた作品ですが、個人的には後100本くらい続けて欲しいシリーズです。楽しい週末になりました。

よね