劇場公開日 2021年3月26日

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「シニカルかつシビアな寓話作品です。」きまじめ楽隊のぼんやり戦争 バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5シニカルかつシビアな寓話作品です。

2021年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「彼女来来」という作品で良い俳優さんだなーって
思った前原さんが主演されているので鑑賞決定です。

好き嫌いが分かれそうな作品でした。
僕は好きっ!です。
架空の日本が舞台になっているお話です。
題名からは想像ができない内容でした。

全編通して非常にシニカルな味付けを
してる作品ですね。
そう、戦争が生活になっているなんて。
ほのぼのテイストでコントみたいな雰囲気ですが、
これが現実だったらそれはそれは恐ろしい事。
タイムカードを押しながら弾丸を打ち込むんですから。

しかし、これは戦争がなくならない世界への
痛烈な風刺なのではないでしょうか?
強烈な皮肉なのではないでしょうか?

生活の中に戦争があり、
戦っている理由もだんだんぼやけてくる。

戦争だけではありません。
人の噂で人が動く、
意味もわからず動く。
考えない民衆
組織という効率的に見える不条理な集合。
アホな権力者。
などなどへの皮肉も。

それらの変だなぁってことが本作の中では
コミカルタッチで味まろやかにして描かれてます。
そして観ていると、バカバカしいなって思います。
こいつら頭悪いなって思えるエピソード、人物が
山ほどでてきます。ですが、そのバカバカしいって思う
作品世界はまさに現代世界なんですよね、きっと。
現代をデフォルメして描いてるに過ぎないのでは
ないでしょうか?
心当たりが多すぎて情けなくなります。

ただ、一方、救いも描かれます。
儚いエピソードですが、これもまた人間の本質です。
なんとも切ないです。ラスト。
ただ本作には願いが込められていると信じたいです。
それは監督の願いであるのだと思います。
まさしくそれは反戦であると僕は思うのです。
この寓話の中で見事に訴えているのではないでしょうか?

万人受けしそうではない作品でしたが
監督は素晴らしい作品を作られたと思います。
僕は好きです。

秀作です。

バリカタ
はなもさんのコメント
2021年5月31日

こんにちは。
 私もこの作品大好きです。
主人公の前原さん、存じてあげませんでしたが、ジミーな感じで、この映画にピッタリでしたね😌

はなも