劇場公開日 2020年12月11日

「【社名が動詞になる日】」NETFLIX 世界征服の野望 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【社名が動詞になる日】

2020年12月13日
iPhoneアプリから投稿

GoogleのようにNetflixの社名が動詞になる日が来るかどうかは分からない。
ググるのようにだ。

だが、配信ビジネスに、AmazonやApple、ウォルトディズニーが参入してこようと、Netflixの優位はそう簡単には揺らぎそうもない。

NetflixがDVDのレンタルが中心だった頃は、日本ではアメリカの一業者にすぎなかった。
ブロックバスターと苛烈な競争をしてた時も同様だ。
この映画の3分の2は、レンタルビジネスをめぐる歴史や、投資家との軋轢、競争の激化などで、少し退屈ではある。

しかし、ネットで配信ビジネスが本格的な拡大期に入り、ドラマや映像制作に参入する話題になると僕達の今の認識と重なるようになる。

そして、ROMAのアカデミー賞受賞が更に業界へのインパクトに拍車をかけたように僕は思っている。

赤字覚悟の映像制作は、これまでの映画制作会社の行動様式とは異なり、話題先行ではなく、より良い作品を残そう、そして、配信にのせて長期的な顧客満足度を高め、長期的な利益の礎をユーザーとの間に作り上げようとしているようにさえ思える。

アイリッシュマンや、2人のローマ教皇は昨年の賞レースのキャンディデートだったと思うし、今年は、シカゴ7裁判、プロム、マンク、ミッドナイトスカイも、人気先行とは異なるアプローチで、注目を集めているように感じる。

今年はコロナ禍で、初めの配信契約者数の増加が著しかった。
ただ、それが一巡すると、いわゆる投資家はNetflixに興味を失ったような投資行動を見せた。
Googleの持株会社のアルファベットや、ウェブ会議システムのズームなどには劣後するような株価の値動きだった。

しかし、映画ファンとして冷静に見てみても、映像制作と配信を融合させたビジネスモデルの中の、Netflixは同業他社に頭ひとつもふたつも抜けてるように感じる。

ただ、これは従来の映画会社の衰退を意味していると僕は思わない。
確かに、淘汰はあるかもしれない。
でも、ソニーもパラマウントも、手をこまねいているわけではなく、より良い作品を作ろうと挑んでくるように思うからだ。

Netflixは日本のアニメ制作にも資金を注ぎ込み始めている。
たぶん、アニメだけにとどまるわけではないだろう。

クラウドファンディングの「この世界の片隅に」がヒットして日本の従来の映画制作にも一石を投じ、多大なインパクトを残したこともそうだが、Netflixの日本の映像制作への本格参入で制作委員会方式も曲がり角に来ているのではないかと思うし、マーケットを国内だけではなく世界に求め、国内の特定の、例えば、アイドル好きだけをターゲットする制作方式は、携帯と同じでガラパゴス化は避けられないだろうと思う。

Netflixが動詞になるとしたら、意味はどんなだろうか。
ググるは検索するの意味だが、映像を制作して配信するの複合型の動詞だろうか。
日本ではどう表記することになるだろうか。

ネットフリくる…あたりだろうか?😁

ワンコ