劇場公開日 2020年12月25日

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「将棋映画に外れなし。いよいよ本作では「人間」vs「AI」という流域に踏み込んだ。」AWAKE 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5将棋映画に外れなし。いよいよ本作では「人間」vs「AI」という流域に踏み込んだ。

2020年12月27日
PCから投稿

これまで将棋映画は「3月のライオン」「聖の青春」など地道に作られてきていて、どれも名作揃いです。ただ、なぜか興行的には失敗していて、将棋映画というのはニーズがないのか、と思ってしまうくらい残念な状況になっています。
そんな中、本作はこれまでの「人間」vs「人間」から「人間」vs「AI」まで描く、という新たな領域まで描いています。
本作のベースとなったのは、2015年の電王戦FINAL第5局。
2014年に第2回将棋電王トーナメントで優勝し第二代電王に就位したAIソフト「AWAKE」の実際の対戦を基に、登場人物を映画用に脚色したものになっています。
「AWAKE」の開発者は、実際に奨励会にいて挫折して退会しています。その後、AIソフト「AWAKE」を作って再び将棋の世界と向き合います。
本作では、そんな「AWAKE」の開発者を吉沢亮が演じ、吉沢亮の演技で作品のクオリティーが上がっています。
また、本作の脚色として、「AWAKE」の開発者と、「AWAKE」と決戦する相手が奨励会で一緒にいたライバル、という形になっています。
そのため、この2人の対比として描かれ続けているので、作品の世界に入り込みやすくなっていると思います。
実は、今回の映画で描かれた2015年の電王戦FINAL第5局というのは、当時かなり大きな物議を醸した一戦だったので、これをベースにするのは、見終わった後でいろんな意味で考察の余地が残る面白い試みなのかもしれません。将棋とは何か、AIとは何かを考える上で非常に示唆に富む題材になっています。
ちなみに、「AWAKE」とは、「目が覚めた状態」「覚醒」を意味しています。

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細野真宏