劇場公開日 2021年9月17日

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「現代に生きる人には必見の映画」アイダよ、何処へ? ぼぶさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0現代に生きる人には必見の映画

2022年6月9日
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とにかく圧倒的な映画で引き込まれようが半端ない❗️それにここまで怒りがこみあげてきた映画も少ない。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争のことは当時ですら生半可な知識しかなかった。宗教や民族が違うだけでそれまでお隣さんだった知人を殺戮する。ルワンダでのジェノサイドや今のウクライナ侵攻を連想させる構図。監督さんの強い執念には終始唸られっぱなしだし、驚異的な完成度だ。それにしても戦争ってのは恐ろしい。厄介で、議論なんかは関係なく不条理で人間個人の力は到底及ばない。絶望しかない。でもそんな渦中においても家族のために闘い、社会と共生しようとするのがこの主人公。おれにはそんなパワーはないからただ感嘆しかない。ラストシーンにも大いに考えさせられた。子どもたちの笑顔とアイダの厳しい表情。ウクライナ侵攻でも報道されない悲劇がたくさんあるのだろうと本作を観て確信した。紛争・戦争を一般人の目線からとてもリアルに表現しており、現代人には必見の映画だ。

ぼぶ