劇場公開日 2020年10月23日

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「The Bandの曲、歌、サウンドは永遠に不滅!」ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0The Bandの曲、歌、サウンドは永遠に不滅!

2020年12月6日
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鑑賞方法:映画館

洋楽を聴き始めた頃にLast Waltzの解散コンサート。その頃はBob Dylanのバックバンドぐらいの認識だったが、数年後に南十字星やMusic from Big Pinkを聴いて、その素晴らしさに感嘆し、すっかりファンになった。そのうちにR.マニュエルの訃報に接し…
この映画の原題にあるとおり、あくまでR.ロバートソンの伝記であり、彼から見たThe Bandの姿をさらしたものなので、批判があるのは当然。R.ダンコ、L.ヘルムも亡くなり、G.ハドソンの発言がない中で、一体どうなの?という気も正直ある。
しかしながら、R.ホーキンスのバックバンドでL.ヘルムと知り合ってからのバンドの歴史を、様々なエピソードや貴重な映像で解きほぐしてくれるこのような作品が観られたことに、本当に感謝したい。
Big Pinkでの共同生活で曲を生み出していく奇跡のような日々、その後のR.ロバートソン以外のメンバーのドラッグ、交通事故などにより、バンドが崩壊し、最後の輝きの舞台としてLast Waltzがあったことなど、これまで語られてきたことではあるが、映像作品として観て実感し、深く感動した。
R.ロバートソンとL.ヘルムは亡くなるまで仲違いしたままだったようだが、この映画の最初と最後にL.ヘルムのリードヴォーカル曲を持ってきたあたりは、作り手のL.ヘルムに対する敬意を感じた。できればR.マニュエルのことをもう少し触れてほしかったかな…
映画の中の発言にあったが、「Beatlesに匹敵するアメリカのバンドはThe Bandだけ」ということをしみじみ感じる。この映画を契機に、より多くの人達にThe Bandを聴いてもらいたい。The Bandの曲、歌、サウンドは永遠に不滅です!

山の手ロック