劇場公開日 2020年10月23日

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「バンド=スタインベック」ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0バンド=スタインベック

2020年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

『かっては兄弟だった。でも、もう兄弟ではない。お互いに付き合いをなくしてしまった。戦争の後で。』

とロビーロバートソンは歌っている。https://www.youtube.com/watch?v=VT407NtOWac

実は、この曲を聞いて、涙が出た。十六年以上も続いたThe Band が事故、麻薬中毒、著作権の争いなどにより、こんな形で、兄弟が死んでしまったのは残念だ。でも、兄弟という言葉を使うなら、もっと助け合うことができなかったのか? いろいろな形の兄弟がいるけど?

でも、この作品は、生きているロビーが作ったもので、ガースのコメントも一言しか入っていなかったと思う。(忘れた)まだガースは生きてるよ。あとの、バンドメンバーは死んでしまっているから、死人に口無しでなんとでも言えるだろう。と言うより、ロビーも生きていく上に、何かを見つけ出したいと思うと思う。ましてや、BLMの動きで、カナダの6Nations (ネイティブ カナダの居住地)の血統をもつロビーにとって、何か話せることもあるだろう。それに、彼は話上手で論理的に聞き手に理解させるように説明できる才能もある。麻薬も少し使っていたようだが(?)、リチャードやレボンたちほと、中毒にならなかったんだろう。

なんて、批判的に考えるのは、私の思考過程で、、、

ところで、このロビーのThe Band のドキュメンタリーがいままでに、観た数々のアーティストのドキュメンタリーの中で一番気に入った。その理由は、単に私はThe Band が大好きだったから。でも、この映画に答えが出ている。ジミーと言う人が(Jimmy V.)がインタビューで、『一つ一つの曲が、ちょっとスタインベック( John Steinbeck)の小説のようだと。そして、DustBowl アメリカのアメリカのイメージのを私に与える』と。このダストボールという言葉は、砂吹雪、砂埃でせっかく作った作物をダメにされ、それでも、また来年も作付けするというアメリカの泥臭いイメージだと思う。納得。私の好きな米国作家はスタインベック、それに、米国(カナダ)音楽はThe Band,オールマンブラザーズバンドだ。

1968年の『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』というでデビューLPを持っていて、「ザ・ウェイト」が好きだった。
The Band Music From Big Pink [Full Album] コピペで聞いて。

そして、私は個人的に1970年の3作目の『ステージ・フライト』まで聞いていた。このバンドは南部の音やブルースやバッハ調で、他のバンドと違った音を出している。レボン(ドラマー)の 歌声が好きで、1960年ごろでドラマーがリードボーカルだと言うのも珍しかったように思う。ロビーは作曲家のイメージが強く、バンド個人個人のことより、歌と曲が好きだった。レボン(ドラマー)の自分の音楽に対する信念は価値がある。マスコミや流行にとらわれない自分の音楽を持ってるから好きだ。個人的に彼の南部のアクセントはちょっと気になるが)娘曰く、わざと南部のアクセントを残していると。自分に誇りをもっている人だからだと思う。

ロビーは映画でも言われているが、ビジョンのある人で、先が見られ、いつもなにか新しいことを求め、行動に移している人。カナダの若手監督を育てるため、このダニエル・ロアー監督を選んだのも彼。それに、マーティン・スコセッシ監督の映画、『レイジング ブル』『アイリッシュ マン』も彼が曲作りをしている。自分が何かできるかを探っているから、人との付き合いを大事にしている。この映画はトロント映画祭(TIFF ティフ)のオープニングの映画に選ばれている。その舞台には6Nations (カナダの インデアンの居住地ーアメリカにもいる)に対する感謝のコメントを忘れないし、自分の息子の作品の宣伝もする。如才の無い人。
https://www.youtube.com/watch?v=ph1GU1qQ1zQ
これに日本の人も出ている。この世界は一つのアイデアが好き。

個人的にはレボン(ドラマー)タイプが好き、音楽バカで、自分の音楽を追求して、ガサツで、馬鹿笑いをするし、、、時々、呆れられるような人が。

ロビーに対して、反論しているわけではないが、(実際のところ私は何が事実か知らない)この映画の監督、プロヂューサーに感謝しているし、ロビーの話術も尊敬している。こんな素晴らしいThe Band のドキュメンタリーが見られたわけだから。

"THE BAND: The Authorized Video Biography" - (1995)
これにはロビーがほとんど出ていない。レボン中心のインタビューが中心だ。
https://www.youtube.com/watch?v=3V2OqxgeD9Y

これはトレーラーだが、レボン映画もある。
Ain't in it for My Health Official Trailer #1 (2013) - Levon Helm Movie HD

この映画を観てから何度も何度もバンドを聞き返した。
https://www.youtube.com/watch?v=iyVSy9DYq9Y
https://www.youtube.com/watch?v=5dReaQWER2k  歌詞がいい!ボブディランとリック ダンゴ作曲

Socialjustice