劇場公開日 2020年8月28日

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「映画では「音響」が第3の目になっていることを実感できる作品。これを見た後では映画の見方さえ変わる!」ようこそ映画音響の世界へ 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画では「音響」が第3の目になっていることを実感できる作品。これを見た後では映画の見方さえ変わる!

2020年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

映画を見る際には「音楽」だけでなく、「効果音」なども含めた「音響」の存在が、思っていた以上に重要なことが、作り手目線から客観的に分かるようになりました。
過去の名作と共にスティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、フランシス・フォード・ コッポラ、ジョン・ラセター、そしてクリストファー・ノーランなどが登場し、よくある「芸の少ないドキュメンタリー映画」とは違って、構成も巧みな「引き出しの多い興味深いドキュメンタリー映画」になっています。
第1回アカデミー賞で作品賞を受賞した「つばさ」の時は、あんな形式で上映されていたのか、など、「映画の歴史」と「進化の過程」も面白く、「映像技術」と同様に「音響技術」の進化があったからこそ「今の映画」があることを見事に表現できていました。

これまでは、「目に見える映像」で認識しているといった錯覚をしていましたが、実は「音響」によって、2つの目では「見えない映像」を見えるようにまでしてくれていたのですね。
本作を見てからは俯瞰でき、映画の見方さえ変わっていきそうな作品でした。
アカデミー賞などでも「評価に共感できる感性」が深まることになったと思います。

細野真宏