劇場公開日 2020年11月6日

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「~「身の丈に合ったことだけをして…傷つかぬように生きるなど、小物のすることです!!」~」十二単衣を着た悪魔 門倉カド(映画コーディネーター)さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0~「身の丈に合ったことだけをして…傷つかぬように生きるなど、小物のすることです!!」~

2021年1月31日
PCから投稿

泣ける

楽しい

知的

【賛否両論チェック】
賛:奇想天外な体験を通して成長していく主人公や、意志を貫く弘徽殿女御の人となりからも、“自分自身”や“生き方”について学ばされることが多い。
否:展開は結構なご都合主義で、ツッコみどころが多い。ラブシーンもかなりあり。

 現代では腑抜けだった主人公・雷が、ひょんなことから源氏物語の世界へとタイムスリップしてしまい、人助けや結婚等を経て、少しずつ成長していく姿を通して、“本当の自分とは何か”、そして“本当の愛とは何か”といった普遍的な問いを、考えさせられるような気がします。
 そして本作のもう1人の主人公というべき悪女・弘徽殿女御。どうしても他人と比べてしまい、自分の主張を殺してしまう世の中にあって、思ったこと・言いたいことをハッキリと言葉にする彼女の豪胆さには、思わず学ばされる部分も多いです。
「身の丈に合ったことだけをして…傷つかぬように生きるなど、小物のすることです!!」
という言葉には、殴られたみたいな衝撃を受けました(笑)。本当にその通りだなと思わされます。
 ラブシーンがかなりあったり、ラストもやや賛否ありそうな終わり方ではありますが、“自分の生き方”というものを改めて考えさせられる作品ですので、是非チェックしてみて下さい。

門倉カド(映画コーディネーター)