劇場公開日 2020年7月31日

  • 予告編を見る

「個人的に結構な佳作。」マッド・ハウス うにたん♪(コロナが当たり前の世界)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0個人的に結構な佳作。

2020年10月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

知的

住民皆がカルトに染まるってどんだけ手間かけてんだ?
マンションのカルト化はどんな風に始まったのだろう?
…とか考えながら観てしまった。

飼い猫を焼き殺し、拉致監禁。
隷属させるための心を折る儀式(壁に手をついて身体を支え続ける)から始まり
監視カメラ付きでお互いを監視し合うような生活。
薄気味悪い奇妙な笑顔の集団でしかない。
リーダーの決める規範の中で好き勝手に生活させる。
ルールから逸脱しなければ許されるがルールには意に沿わない強要もあり、殺人も含まれる。

人は強制圧力の中で生きると、納得いかないままそこでの生き方をしていくのか?

恋愛もクソもなく前妻を失った男性とカップリングさせたり個としての生き方を否定していく。

作品は大人しく作られているが奇妙な雰囲気を醸し出している。
皆がイヤなのに、我慢して受容しその世界でイヤな目に遭わないように生きている…そんな居心地の悪さが伝わってくる。

終盤、友人リサがマンションに訪れた事で物語は一気に佳境へ(笑)
割りとイヤな感じの友人リサだが彼女なりに自分を持っていてカルトへの抵抗が凄い(笑)
リサは38才で冴えない人生を送っており、感心できる人物ではないが心の強さは主人公より凄い。

サラが逃げ出した後のラストはありがちとも言えるが、観ていたこちらはマンション内の異常な世界(四つの基本)がマンションの中だけと思っていたのに、知らぬ間に世間に拡がっている事を見て「これ、リアルにあるわ」と納得してしまった。

日本にも市民権得てる思想や組織がある以上、あんまり笑えない恐ろしさを持った作品だった。
同調圧力に弱い日本人はヤられやすいんだろうなぁ。

うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)